パープル、ホワイト、イエロー… 野趣あふれる草木で迎える春ガーデニング
まだ肌寒い時期から咲き始め、春の訪れを感じさせてくれる早春の山野草。
春先に咲いて夏以降は地上から姿を消すはかなさが魅力で、「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれています。
可憐でデリケートな性質の山野草は、管理しやすい鉢植えで育てるのがオススメ。今回は鉢植え栽培のコツやオススメの植物を参考価格とともに紹介します。
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ナチュラルガーデンに! 山野草を鉢植えで育てるメリット
場所を変えながら育てられる
山野草の多くは比較的冷涼で風通しのよい場所に自生しています。寒さには強いものの暑さはやや苦手。無事に夏越しさせるためには、できるだけ暑さや蒸れから守ってあげることが大切です。
鉢植えにすると季節に合わせて置き場所を変えられるので、デリケートな山野草には適していると言えるでしょう。
コンパクトな花姿を楽しめる
早春の山野草は花や葉が小ぶりで、可憐な草姿がその最たる魅力。広い庭に植えてもあまり目立たず、そのうち茂りだす回りの植物に囲まれて姿が見えなくなってしまいます。
コンパクトな姿を存分に活かすためにも、小さな鉢に植えて主役として輝かせてあげるのがオススメです。
山野草を自宅で育てるコツ
育てやすい品種を選ぶ
野生の山野草をいきなり庭で育てても失敗することが多く、環境保護の観点からも野草の採取は好ましくありません。園芸用に専門の育苗家が育てた品種を購入して育てましょう。
苗は園芸店のほか、ネットでもさまざまな品種が販売されています。購入前に性質をよくチェックして育てやすい品種を選べば、初心者でも安心して栽培できるでしょう。
水はけのよい土に植える
山野草は水はけがよく、保水性や通気性もある粒状の土壌を好みます。赤玉土と鹿沼土を同量ずつ、軽石を全体の1割程度加えて混ぜましょう。市販されている山野草専用の土を使うと、手間もかからず初心者にも便利です。
素焼きの鉢に植える
山野草は蒸れに弱いので、排水性や通気性のよい素焼きの鉢が適しています。熱い時期は鉢に水をかけて、蒸散効果で土の温度を低く抑えることも可能。できれば鉢穴の大きい山野草専用の鉢がオススメです。
直射日光を避ける
もともと落葉樹の下などに自生している山野草は、直射日光に当たると弱ってしまいます。5月以降は日差しが強くなるので要注意。風通しのよい半日陰で育て、猛暑の夏は日陰に移動しましょう。
水や肥料を与え過ぎない
水を与え過ぎると土がつねにジメジメした状態に。肥料も控えめにして根腐れを防ぎましょう。水やりを忘れがちになるのは休眠中。地上は枯れていても根は生きているので、水切れさせないことがポイントです。
野趣あふれる! 鉢植えにオススメの山野草5選
フクジュソウ
黄色やオレンジの花が温もりを感じさせるフクジュソウ。光沢のある花弁が晴れた日に輝く様子が楽しめます。細く切れ込んだ葉もキレイです。
根を旺盛に伸ばすので、深めの鉢に植えましょう。※参考価格:400~700円前後(3号ポット苗)
ユキワリソウ
ユキワリソウは北国の雪解けとともに開花。一重のほか華やかな八重もあり、カラーバリエーションも豊富です。
春は明るい日なたに置き、梅雨入り以降は日陰で管理しましょう。※参考価格:500~800円前後(3号ポット苗)
セツブンソウ
名前どおり節分の時期に咲き始めるセツブンソウ。白い小花が可憐で、中央にある紫や黄色のシベとのコントラストが鮮やかです。
極端な乾燥を嫌うので、水切れしない程度に水を与えましょう。※参考価格:500~1000円(3号ポット苗)
キクザキイチゲ
は花や葉がキクに似ていることから命名。白や青紫の花が清々しい印象で、1株から1輪の花を立ち上げて咲きます。
湿り気の多い土壌を好むので、土が乾いたらタップリと水やりしましょう。※参考価格:600~800円前後(3号ポット苗)
野山など身近な場所でもよく見かけるタチツボスミレ。うつむきがちに咲く花が可憐で、昔から俳句や和歌にもよく詠われてきた花です。
強健な性質なので初心者にもオススメ。紫のほか白やピンクの花色もあります。※参考価格:300~500円前後(3号ポット苗)
寒さが残る中で健気に咲く早春の山野草
冬がそろそろ終わりを告げる頃、小さな花を開き始める早春の山野草。冷たい風の中で健気に咲きながら、少しずつ春の足音が近づいてきたのを知らせてくれます。
野趣あふれる早春の山野草を小鉢に植えて、関津の移り変わりを身近に感じてみませんか。