能登半島地震で厳しいなか“輪島漆器”が世界へ…現在も注文を受け付ける理由とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、能登半島地震で大きな被害を受けた“輪島塗への支援”について取り上げました。

◆日本が誇る輪島塗…被災しながらも世界へ

甚大な被害をもたらした令和6年能登半島地震。石川県輪島市に軒を構える「岡垣漆器店」は、ニューヨークで開催される見本市への出展を控えるなか、被災しました。同店の岡垣祐吾社長は、すべての職人とともに自宅も店舗も地震で被災し、一度は出展辞退を考えたものの、家族や避難所で生活する職人からの後押しでニューヨークに向かうことを決断。

まだまだ被災地の状況は厳しいものの、その気持ちを支えているのは、「復興したときに輪島で、少人数かもしれないけどものを作る職人さんがいたり、漆と向き合っている街にしたいなっていう思い」と話します。

そして、今後については、「いいものを作りたいです。被災地という立場で、それをきっかけに(輪島塗を)見てくださることはすごくいい機会だと思うんですけど、復興した後は綺麗って手に取ったらそれが輪島塗だったというふうにしたい。それが僕たちが復興するひとつの区切りなのかなと思います」と話していました。

輪島漆器の現場は非常に苦しい状況にさらされています。工房・店舗のほとんどが大きな被害を受け、製造再開には2年以上かかる場合もあるそうです。

現在、被災した方々に対し「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」が用意されています。これは事業再開に向けた道具・原材料確保の費用補助で、その額は費用の4分の3(最大1,000万円)となっています。

なお、岡垣漆器店では被災後も注文を受け付けています。なぜなら、"輪島塗の作品を待っている人がいる”ということが職人さんを元気づける意味でも重要だからだとか。

◆日本の伝統産業を守るために、私たちにできること

元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは輪島塗の魅力について、沈金や加飾などに目がいきがちであるものの、その機能性の高さを絶賛。「実は軽量で堅牢、修理可能で半永久的に使えて、しかも抗菌。未来にも伝えられる日本が誇るべき技術だと思うので、ぜひニューヨークでも伝えてほしい」と岡垣社長にエールを送ります。

経済ジャーナリストの荻原博子さんは、輪島の朝市に昨年訪れた際に購入した輪島塗の箸を普段から愛用しており、その使い心地の良さを伝えつつ、「コロナで傷んだ後に震災がきた。みんなでバックアップしていかないと(伝統が)途絶えてしまう」と危惧。

富山県出身の株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、「能登地方は被害が甚大なところだが、北陸のなかには通常営業ができる地域もあるので行ける人は行く、もしくはオンラインで購入するなど皆さんに応援していただければ」と視聴者にさらなる支援を呼びかけていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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