新宿区 都の「トー横」相談窓口 11日間で述べ約300人が利用

新宿・歌舞伎町に集う若者や子どもたちを支援するため、都が先月、設置した臨時の相談窓口について、11日間で述べ約300人が利用したことが分かりました。

新宿歌舞伎町の一角にあるいわゆる「トー横」をめぐっては、居場所のない若者や子どもが集まり、犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが後を絶たず、東京都や新宿区、警視庁が情報連絡会を立ち上げ、対策を話し合っています。

2月9日の連絡会では、先月19日から30日まで設置された、子どもと保護者向けの臨時相談窓口の利用状況が示されました。利用したのは述べ295人で、男性がおよそ6割、女性が4割ということです。

出席した専門家からは、「この窓口のように他の人の視線にさらされず、相談できる環境が重要だ」という意見が出たほか、今後、子どもや若者を支援する関係機関とのさらなる連携が必要だという課題も指摘されました。

東京都は、新年度に相談窓口を常設にして、対応を継続する方針です。

今回の連絡会では、相談窓口をどんな人が利用したのかも明らかになりました。このグラフは、相談に訪れた人の数を年齢別で表したものです。都は当初、18歳未満の未成年と、その家族などを想定して窓口を開設しましたが、グラフを見ますと、実際に相談に訪れたのは18歳以上の人の割合も多いことがわかります。今回は臨時の窓口ということで、青少年が対象でしたが、東京都は新年度からは常設にして、対象も18歳以上に引き上げる方針をこれまでに示していましたが、今回のデータからもその必要性が確認できたといえそうです。

また、こちらのグラフからは、先月19日に窓口を設置してから徐々に、継続して訪れる人が増えていることがわかります。都の担当者は、何度も訪れてもらう中で、打ち解けていき、相談に至ったケースが多かったと話していました。1人1人に向き合う継続的な取り組みが必要だということですね。

続いて、寄せられた具体的な相談の内容と、窓口がどう対応したのかを見ていきます。

友達と一緒に窓口を訪れ、「家庭に問題があって家に帰れず、お金もない」という相談には、「家に帰れない」という状況を考慮し、一時的に保護できる児童相談所に連絡したということです。

また「夜の仕事をしているが、仕事を変えたい。居場所もお金もないのでどうしていいか分からない」という相談では、就労支援などのサポート制度を紹介したことで、実際に働き先を見つけることができたということです。

そのほかにも窓口には、「食べ物があり、暖かくてありがたい」という声や「寒くて公園では寝られない中で、仮眠ができて助かる」といった声が寄せられています。

こういった切実な声が寄せられる相談窓口、歌舞伎町に集う若者たちのよりどころになってもらいたいと思います。

© TOKYO MX