市民活動拠点を整備 センタービル、大改修終了 茨城・つくば

市民活動拠点内に整備されたフリースペース=つくば市吾妻

茨城県つくば市が進めてきた、世界的建築家、磯崎新さん(1931~2022年)設計の代表的な建築物の一つ、つくばセンタービル(同市吾妻)の大規模改修が終了した。市は12日、同ビル内に新たに整備した市民活動拠点「コリドイオ」をオープンする。約100人を収容できる音楽ホールのほか、音楽室、会議室などを設けた。同所を新たな市民の交流の場に変えることで、中心市街地のにぎわい創出につなげる狙いがある。

新たな市民活動拠点は、同ビル内の1~3階に整備された。コリドイオはイタリア語で「回廊」を意味する。多様な人が集う「回廊」となるよう願いが込められた。元は1階にあったノバホール小ホールが、2階に移された。新たな小ホールは約141平方メートルで、楽屋などを備える。1階には和室2室や調理実習室、ピアノやドラムなど楽器を鳴らせる音楽室が設けられた。図書コーナーと本を読めるフリースペースも備える。3階は会議室となっている。ビル内には、つくば市民センターや市消費生活センター、市国際交流協会の各事務室が置かれる。

改修では、ビルの外観はほぼ変わらず、磯崎氏による当初の意匠をできるだけ生かすよう配慮された。波状にデザインされた石天井や、ノバホールにつながる通路の石壁は残された。

同ビルは、公共施設やホテルが集まる地下2階・地上12階建て(塔屋1階)の複合施設。1983年に完成した。整備から約40年が経過し、2005年8月につくばエクスプレス(TX)が開業。周囲の環境が大きく変化したため、市が大規模改修を進めていた。

周辺ではセンター広場に新たな電源を追加する工事などが残り、4月下旬までに終了する見込み。

市民活動拠点に整備された「ノバホール小ホール」=つくば市吾妻

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