障害のあるダンサー、華麗な技で躍動 兵庫・伊丹で世界大会 海外の選手招き初開催 小学生から30代の49人参加

大勢の観客が見守る中、決勝戦でダンスを披露するドイツ出身のVEHBIさん=伊丹市藤ノ木1

 国内外から障害のあるダンサーが集まり、踊りを競う世界大会「ユニークゾーンワールド」が11日、兵庫県伊丹市藤ノ木1のイオンモール伊丹で初めて開かれた。日本のほか、韓国、ドイツ、ポルトガル出身のダンサーらがトーナメント戦などで躍動し、会場を盛り上げた。(浮田志保)

 主催する日本アダプテッドブレイキン協会(大阪市)などによると、首の力が弱い傾向にあるダウン症の人はダンス教室に入るのを断られることがあるなど、障害者がダンスを始めるには障壁がある。エンターテインメントとして多くの人に見てもらうことで障害者への理解を深めてもらおうと、大会を企画した。

 同協会が開く日本大会の優勝者や、交流のある海外からの招待ダンサーら11人のほか、小学生から30代までの一般ダンサー49人が予選やトーナメント戦に参加。親子連れらが次々と足を止め、耳が聞こえにくい人のために拍手でリズムを取って応援するなど大会を一緒に盛り上げた。

 スピーカーから流れる大音響の中で行われた決勝戦では、車いすに乗ったポルトガル出身のダンサーが腕で直角を表現する「タット」などを披露し、会場を沸かせた。優勝は、右腕に障害があるドイツ代表のVEHBIさん。バランスをうまく取った動きが評価された。

 ダウン症の長女の出場を見守った母親(46)=伊丹市=は「本当にやりたいことに打ち込むときは吸収が早い。舞台で生き生きと練習の成果を発揮する姿を見られてよかった」と相好を崩した。

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