歩行者事故防止に力 2023年5~12月 取り締まり3000件超 茨城県警

歩行者の事故と取り締まり件数の推移

茨城県警が、歩行者の事故防止に力を入れている。一時停止違反など2023年5~12月の取り締まり件数は前年同期比約80%増の3018件。歩行者へ反射材貼付を進める活動も推進した結果、車両対歩行者の重傷・死亡事故は詳しい統計が残る1990年以降で過去最少の124件となった。

県警が信号機のない交差点での歩行者事故の原因を分析したところ、運転手の前方不注意や歩行者の反射材未着用が主な要因だったことから、昨年5月から道交法違反(歩行者妨害)の取り締まりや反射材着用推進などの対策を進めていた。

県警交通総務課によると、昨年5~12月の事故発生件数は前年同期比7.9%減の417件。このうち死亡・重傷事故は同17.3%減の124件と90年以降では過去最少。中でも、夜間に発生した死亡・重傷事故については同28.8%減となる52件だった。

月平均の事故発生件数では昨年1~4月が59.5件だったが、対策後の5~12月は同52.1件に減少。夜間についても26.5件から21.6件に減少した。要因について県警は、反射材を着用した歩行者にドライバーが気付いて減速し、事故可能性を未然に回避したことが要因とみている。

県警は取り締まり強化に加え、市町村と連携してカラー舗装の整備や啓発活動も進めており、ドライバーに歩行者優先の意識徹底を図るとともに、街頭で警察官が立哨活動して注意喚起に取り組んでいる。

反射材着用を巡っては、従来の街頭キャンペーンに加え、昨年6月から本格実施している高齢者世帯への巡回連絡も奏功したとみられる。昨年5~12月の配布数は同約70%増の約16万4千枚に上ったという。

同課によると、事故死者数は例年秋から冬にかけて増加する傾向にあるが、昨年11月から今年1月までの死者数は21人と、統計の残る1962年以降で最少だった。同月は前年比5人減での過去最少の7人だった。

同課は今後について「取り締まりと反射材配布の2本立てをさらに強化していく」としている。

高齢者に反射材の付け方を指導する行方署員=潮来市内

© 株式会社茨城新聞社