SNSで大人気! カワイイお菓子を作る「こぐまいたん」のこだわり

顔が描かれていたり、動物をモチーフにしていたり、個性的でカワイイお菓子のレシピをSNSに投稿している「こぐまいたん」さん。ついマネしたくなるカワイイ見た目はもちろん、初心者でもわかりやすいレシピは人気を集め、インスタグラムのフォロワーは9.7万人、YouTubeのチャンネル登録者数は17.4万人を超えている。ニュースクランチ編集部は、そんな彼女にSNS投稿やお菓子作りのこだわりをインタビューした。

▲こぐまいたん【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-Interview】

趣味で始めたお菓子作りが誰かに届く喜び

こぐまいたんさんがSNSでお菓子の写真を投稿しだしたのは、コロナ禍による自粛期間だったという。

「家にいる時間ができたとき、昔、よくお菓子作りをしていたことを思い出して、久々に作ってみようと思いました。そのときからちょっと凝ったデザインのお菓子を作っていたんですけど、まさかここまで多くの人に届くものになるとは思ってなくて……。本当に自己満みたいな感じだったんです」

そんな彼女のターニングポイントとなった投稿が「オレオブラウニー」だ。

「それまではナッツなどをトッピングしていたんですけど、このブラウニーは顔のデザインにしてみたんです。そしたら“カワイイ”って話題になって。また、大量生産しやすいレシピもよかったようで、インスタグラムのフォロワーやYouTubeの登録者数が一気に増えました。“マネしたい!”っていうコメントもたくさん届いたこともあって、これからも続けたいと思いました」

また、これを機にファンや視聴者に“求められているレシピ”というのも意識するようになったようだ。

「季節ごとにさまざまなリクエストがくるので、なるべく応えるようにしています。例えばバレンタインだったら、普段はお菓子作りをしない人もお菓子を作るタイミングなので、“大量生産できる”とか、“簡単においしく”ってコメントが来るんです。なので、そういうレシピをあげるようにしています」

しかし、どんなにファンが増えても作るお菓子を決めるうえで一番大切にしているのは、こぐまいたんさん自身が“カワイイ”と思えることだそう。

「お菓子作りに対してだけでなく、何に対しても昔から人とカブるのが嫌いだったので、 とにかく自分がカワイイと思うもの、人とカブらないものっていうのを意識してます」

彼女がインスタグラムの投稿で一番の大切にしているのが、「光の当たり方」。納得がいくまで撮影をするため、時には微妙な角度の違いで何十枚と撮影することもあるそう。また、さまざまな状況での撮影を試し、「自然光」が一番きれいに写ると気づいたそうで、現在は必ず昼間に撮影しているようだ。

また、インスタグラムに投稿する際は、一つひとつの投稿だけでなく、並びにもこだわっており、YouTube用の動画を撮る際もこだわりがあるという。

「プレビュー用のアカウントを作って、いろいろ試してから投稿する順番を決めています。すべて自分の感覚での判断ではあるんですけど、“これとこれ、合ってないな”と思ったら、先に違うの投稿したりもします。たまに、依頼をいただいたものを投稿することもあるんですけど、急にスケジュールが変わったりすると、ほかも組み直さないといけないんで大変なんです(笑)。

動画では、再生してすぐにカワイイって思ってもらえるよう、背景などにもこだわっています。お菓子だけを映すんじゃなくて、そのお菓子の色に合わせたインテリアブックや鏡を背景として置いたり、とにかくパッと見でもカワイイと思ってもらえるような動画作りを意識しています」

ちなみに、動画や写真投稿に登場する小道具の多くは、韓国雑貨を扱うネットショップで購入しているそうで、100円ショップなどにも掘り出し物があると教えてくれた。

こぐまいたんさんのレシピ動画はわかりやすさも人気の理由だが、視聴者からのコメントによって今のスタイルになったという。

「最初は、自分ができることは細かく説明しなくても伝わるでしょ、みたいに勝手に思ってたんですけど、“どう混ぜるんですか?”とか“生クリームってどうやって泡立てるんですか?”とか、細かい質問をたくさんもらったんです。それからは、一つひとつ丁寧に説明するようになりました」

▲視聴者の方からの質問に答えすぎて睡眠時間がなくなったこともあるそう

レシピ本の次は「カフェ」を開きたい

こぐまいたんさんは、お菓子作りをどこかで学んだわけではない。そこで、レシピやデザインなどをどのように考えてるのかを聞いた。

「まずは作りたいと思ったものの材料を調べるんですけど、そこからは、バターをもうちょっと増やそうとか、砂糖をちょっと減らそうとか、自分で調整していきます。

デザインは普段、生活してるなかでカワイイと思ったもの、例えば洋服の柄とかをお菓子で再現してみよう、みたいなことが多いですね。あとは、寝る前に思いつくことも多いです。目を閉じようとしたときに、これとこれ組み合わせたらカワイイかも! とか思い浮かんできて、1回、起き上がって急いでメモするとかよくあります(笑)」

作りたいものがたくさんあるので、製作のほうが追いついてない。視聴者やファンからコメントが来たときがうれしいと、お菓子作りに情熱を注ぐ彼女は笑顔を見せる。

「“こういうの待ってました!”とか、“これを作ってみたかったから、レシピを載せてくれてうれしい”とか言ってもらえたり、“作ってみました”って写真付きで送ってくれたりとかしてくださる方がいるんです。そういうコメントはやっぱりうれしいので、私も元気をもらえるし、もっとがんばろうと思えます。

以前、お子さんを持つ視聴者の方から『子どもに“お菓子を作って”と言われて、何度か挑戦していたが失敗ばかり。だけど、こぐまいたんさんの動画を見ながら作ったら、1発で成功して、子どももすごい喜んでくれました!』という熱のこもったコメントをもらったことがあるんです。それを読んだとき、私も思わず感動して泣いちゃいました」

▲「カフェ」を開きたいという夢に向かって進んでいる

そんなこぐまいたんさんは、今年1月12日に初のレシピ本『世界で1番かわいいお菓子』(小社刊)を発売。編集者から声がかかったときは、うれしさのあまり信じられなかったそう。

「いつかはレシピ本を出したいとは思っていたんですけど、まさか自分に声がかかるとは思ってなくて。最初に話が来たときは詐欺みたいなDMとかもよくあるって聞くので、そういうのかな?って思ったんです。だけど、調べたら噓じゃなかったので、めちゃくちゃうれしかったです」

初のレシピ本ということで、「とにかく見た目のかわいさ」を重視したという。

「私のことを知らない人でも、本屋さんで見つけたとき、これカワイイって思ってもらえるような本にしたいと思ってました。お菓子作りが苦手な人でも簡単に作れること、お子さんとも一緒に作れるっていうのがポイントです」

ちなみにバレンタイン・ホワイトデーの時期、おすすめのレシピは帯にも掲載されている「ハートクッキー」。

▲「ハートクッキー」のレシピ

昨年のバレンタインにも多くの視聴者がマネしてくれたレシピだという。レシピ本を発売した今、こぐまいたんさんの新たな夢は「カフェを開くこと」だそう。

「白ベースの店内に四角いテーブルが置いてあり、絵が飾ってある韓国カフェ風の店内。そしてとにかくカワイイお菓子が並んでいる、そんなカフェを開いてみたいです」

こぐまいたんさんの“カワイイ”カフェで、お客さんが“カワイイ”を楽しむ日を待ちたい。

(取材:梅山 織愛)


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