【紫式部ゆかりの「石山寺」へ】境内では「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」と「源氏物語 恋するもののあはれ展」も

NHKの大河ドラマ「光る君へ」で注目を集める紫式部。その紫式部が源氏物語を執筆したと伝わるのが滋賀県大津の「石山寺」です。源氏物語を執筆したといわれる「源氏の間」をはじめ、境内には「大河ドラマ館」「源氏物語 恋するもののあはれ展」が期間限定でオープンします。現地ルポで見どころを紹介!

源氏物語誕生の地で体験する石山詣

紫式部が源氏物語を執筆したと伝わる「石山寺」は、京都の「清水寺」や奈良の「長谷寺」と並び、霊験あらたかな観音信仰のお寺。創建は奈良時代の747(天平19)年。瀬田川沿いにあり、立ち上がりが美しい入母屋造りの東大門から境内へ。

石畳の参道が一直線に伸び、花のころにはサクラやツツジなどに彩られるとか。

最初に現れるのは、池のほとりにある「くぐり岩」。願いことをしながら岩穴をくぐり抜けると、願いが叶うと言われているパワースポットです。

体を少しかがめないと通り抜けられない高さなので、注意しながら大願成就!

滋賀県最古の木造建築で国宝にも指定されている本堂は、約70段の階段を上った坂の上に。本堂目指してがんばりましょう!

天然記念物の石山の上に建つ国宝の本堂と源氏の間

70段の階段を上った先に広がるのは、ゴツゴツと鋭い岩山があります。これは硅灰石(けいかいせき)と呼ばれるもの。硅灰石は、石灰石がこの付近に噴き出した花崗岩の熱により変成しできたのですが、これほどの規模で広がる硅灰石は珍しく、国の天然記念物にも指定されているんです。

「石山寺」という名称も、この硅灰石に由来しているというから、まさしく石の上に建立された寺院というわけ。硅灰石の上にそびえる、優美さをもった国宝の多宝塔も美しい。

本堂は、1078(承暦2)年に焼失し、1096(永長元年)年に再建。平安時代後期の姿を色濃く残し、総檜皮葺き懸造りで国宝に指定されています。ご本尊は如意輪観世音菩薩。堂内は撮影禁止なので写真で紹介できないのは残念ですが、真っ赤な大提灯が天井を彩り、33年に一度ご開扉される本尊とは「結縁の綱」という紐でつながり、これに触れてお参りを。

紫式部が源氏物語を執筆したと伝わるのは、本堂に付随するようにある「源氏の間」。7日間滞在(参籠)したと言われます。二間続きの部屋から月を愛でながら筆を走らせたのでしょうか。

本堂から多宝塔へ向かう途中にある経蔵の下には、「安産の腰掛石」も。硅灰石の岩盤に座ると安産になるとか。

境内には堂宇が多数点在し、山門から多宝塔あたりまではゆっくり見学して所要40分ほど。境内をぐるりと1周するなら60~70分ほどが目安となります。

平安時代の甘く切ない恋心…期間限定でオープンする源氏物語の世界

紫式部ゆかりの寺である石山寺。その参道沿いには「大河ドラマ館(光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館)」と「源氏物語 恋するもののあはれ展」がオープン(主催:大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会)。どちらの展示も2025年1月31日までの期間限定。

石山寺の明王院が「大河ドラマ館」。NHKの大河ドラマ「光る君へ」の世界観に没入できる展示内容。

キャストやスタッフのコメントパネルやサイン色紙、メイキング映像を交えた4Kシアターなどに加え、まひろ(紫式部)役の吉高由里子さんが身に着けたきらびやかな衣装なども間近で見ることができ、撮影時に使われた小道具なども展示されています。

「源氏物語 恋するもののあはれ展」は、平安を感じる小路を抜けて隣にある「世尊院」へ。

ここは、平安時代の「恋」がテーマ。源氏物語を現代風な解釈で描いたイラストレーター・日菜乃によるにイラストや、ミュージシャン・あたらよによるオリジナル楽曲で“平安時代の恋”を表現。日本家屋が、淡いパステル調の甘美でやわらかな空間世界に包まれます。

色や香り、花をモチーフにした、平安時代の文化を感じることが体験コンテンツも興味をそそられます。

石山寺

住所:滋賀県大津市石山寺1-1-1

拝観時間:8:00~16:30(大河ドラマ館・源氏物語 恋するもののあはれ展は~17:00)

定休日:なし

料金:入山料600円 本堂内陣拝観料500円 大河ドラマ館・源氏物語 恋するもののあはれ展(明王院・世尊院)600円

アクセス:京阪「石山寺駅」より徒歩10分

URL:https://www.ishiyamadera.or.jp/

大河ドラマ館 https://otsu-murasakishikibu.jp/exhibition/taiga.html

源氏物語 恋するもののあはれ展 https://otsu-murasakishikibu.jp/exhibition/aware/

[Photos by ©︎tawawa]

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