オースティン米国防長官、再び入院 権限は副長官に一時委譲

アメリカ国防総省は11日、ロイド・オースティン国防長官(70)が再び入院したと発表した。「膀胱(ぼうこう)の問題が発生した」ためという。ホワイトハウスには周知済みで、同日午後4時55分(日本時間12日午前6時55分)から、「長官の職務と職責」をキャスリーン・ヒックス副長官に委譲したという。

国防総省によると、オースティン長官は「膀胱の問題が発生したとうかがわせる症状のため」ワシントン郊外のウォルター・リード軍医療センターへ、警備担当によって運ばれた。「今も病院で治療を受けている」と、同省は説明した。

この入院については、ホワイトハウスのほか、チャールズ・ブラウン統合参謀本部議長や連邦議会にも周知しているという。

オースティン長官については、昨年12月に前立腺がんの手術を受けた際や、今年1月1日に合併症による脚や腰などの強い痛みで入院した際にも、ホワイトハウスに事前に伝えていなかったことが問題となり、2月1日に長官が記者会見で連絡の不手際を謝罪したばかり。

元日の再入院では、尿路感染症が見つかり、入院は2週間以上に及んだ。国防長官のこの入院についてホワイトハウスや国防省幹部が知ったのは、入院から3日目のことだったため、国防長官の職務透明性や安全保障業務の寸断の危険をめぐり、事実関係の調査が相次いだ。

長官は今月14日、自分の病状や入院についてバイデン大統領や政府幹部に報告しなかったことについて、下院軍事委員会で証言する予定になっている。

アメリカ軍の指揮系統においては、大統領が全軍の最高司令官を務め、その直下に国防長官が位置する。国防長官は政権において最も重要な役職の一つ。

(英語記事 Lloyd Austin: Defence secretary returns to hospital

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