イスラエルがラファで特別作戦、人質2人救出 空爆で74人死亡

Nidal al-Mughrabi Emily Rose

[ドーハ/エルサレム 12日 ロイター] - イスラエル軍は12日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで特別部隊による作戦を実施し、人質2人を救出した。救出作戦と同時に空爆を実施。現地の保健当局によると、これまでに74人が死亡、数十人が負傷した。捜索活動により死者数は増える可能性がある。

救出された2人はアルゼンチンとの二重国籍の60歳と70歳の男性2人。アルゼンチン政府はイスラエル政府に謝意を表明した。

イスラエル軍によると、国防軍(IDF)、国内治安機関シンベット、特別警察部隊が共同作戦を実施した。住民によると、攻撃にはイスラエルの航空機、戦車、船舶が参加。1時間以上におよぶ攻撃で2つのモスクと複数の家屋が損傷した。

ガザのある男性は「先月ラファに来てから最悪の夜だった。ミサイルや砲弾が自分たちのテントの200メートル先に落ちた。死というものがとても近い」と語った。

イスラエルのネタニヤフ首相は「完全勝利まで軍事的圧力を継続することによってのみ、人質全員の解放がもたらされる」とし、ラファへの地上攻撃に対する国際的な警告を一蹴した。イスラエル政府のレヴィ報道官も「欧州における過激主義とテロリズムのさらなるまん延」を防ぐために戦っているとし、同盟国がこれを支持することを期待していると述べた。

イスラム組織ハマスは今回のイスラエルによる空爆で、負傷していた人質3人が死亡したと発表。他の負傷している人質の安否は不明とした。

西側諸国の大半はイスラエル軍の攻撃に警告を発する一方、イスラエルへの支援を続けている。

ただ、オランダの控訴裁判所は12日、F35戦闘機の部品のイスラエルへの輸出を7日以内に停止するようオランダ政府に命じた。

英国はイスラエルに対し、避難民が押し寄せているラファを攻撃するのではなく、人質解放に向けた停戦に合意するよう要請した。

バイデン米大統領は、イスラエルには信頼できる避難計画が必要と述べた。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は12日、米国はイスラエルによる今回のラファへの空爆がラファに対する本格的な攻撃開始とは判断していないと指摘。イスラエルによって実行可能な信頼できる計画がなければ、米国はラファでの本格的な軍事作戦の実施を支持しないとしたほか、米国のイスラエルへの支援を削減することは、米国がこれまで行ってきたことよりも影響力のある措置になるとは考えていないとした。

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