「人類の可能性への挑戦を応援したかった...」マラソン世界記録保持者・キプタムの突然の訃報に追悼の言葉続々!「深い悲しみに暮れています」

現地2月11日、陸上男子マラソンで世界記録保持者のケルビン・キプタム(ケニア)さんが交通事故で亡くなった。

ケニア大手紙『Standard newspaper』は、「キプタムさんは2人の同乗者を乗せて車を走らせていた際に、単独事故を起こした。キプタムさんとジェルヴェ・ハキジマナコーチはその場で死亡し、3人目は重症を負い病院に運ばれた」と報じている。

昨年10月13日に行なわれたシカゴ・マラソンで2時間0分35秒の世界新記録を打ち立て優勝した24歳のランナー。マラソン3戦目で快挙を成し遂げただけに、人類史上初の「2時間切り」も夢ではないと思われていた。

有望株の訃報に陸上界は悲しみに暮れている。世界陸連のセバスチャン・コー会長は「ケルビン・キプタムさんとジェルヴェ・ハキジマナコーチが亡くなり、我々は衝撃を受け、深い悲しみに暮れています。世界陸連を代表して、彼らの家族、友人、チームメイト、そしてケニア国民に深い哀悼の意を捧げます」と記したうえで、「ケルビンが驚異的なマラソン世界記録を樹立したシカゴの地で、彼に歴史的なタイムを公認することができたのは今週初めの出来事でした。素晴らしいレガシーを残した彼を永遠に忘れない」と続けた。
日本マラソン界のレジェンド高橋尚子氏は、「信じられないニュースです。マラソン世界記録保持者キプタム選手が事故死。マラソンデビューから一躍注目され、3度目で世界記録24歳とまだ若く未知の可能性を秘めたランナーでした。この先も彼が見せてくれる人類の可能性への挑戦を応援したかった...。心よりご冥福をお祈りします」と追悼の意を表した。

マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)3位の大迫傑も、「本当に残念です」とコメントしたうで、「ケニアの方の運転はアグレッシブな事が多い。あとはそこにお酒も関わってる事が少なくない。事故詳細は分からないけど」とケニアでの経験談を踏まえている。

4月のロッテルダム・マラソンで2時間の壁を破ろうと準備していたキプタム。また今夏に開催されるパリ五輪にもケニア代表として出場予定だった。

構成●THE DIGEST編集部

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