閉園する「アニメの聖地」 3連休に大勢の客…開園3時間半前に200人が列 館長「再開をあきらめていない」 静岡・沼津市

能地優アナウンサー:「午前6時半のあわしまマリンパークのチケット売り場前です。開園3時間半前にもかかわらず、長蛇の列。およそ200人。そして駐車場も満車。そこで、臨時駐車場に誘導されていますが、そこも満車になりつつあります」

「深夜1時に着いた」

Q.何時から?
客(愛知県):「(前日の)夜11時から車で待っていて、深夜2時から並び始めた」

Q.閉園を聞いて
客(愛知県):「シンプルに悲しい」

Q.何時から?
客(千葉県):「並んだのは5時。ついたのは深夜1時ぐらいに駐車場に」

Q.なに目当て?
客(千葉県):「カエルが好きで、カエル館に来たかった」

あわしまマリンパークは閉園を発表して以降、臨時駐車場を設けて対応していますが、11日の朝は7時15分には150台以上が満車状態に。早朝から混みあったためか、開園は急きょ30分ほど早まりました。

能地アナ:「今から船に乗りたいと思います」

あわしまマリンパークへの移動手段は船。定員85人は連日満員、およそ3分の船旅です。朝6時過ぎに到着した取材クルーが上陸してほどなく、9時50分には入園規制がかかりました。

定員:「完売しました」

園内のレストランでは10時過ぎに売り切れるメニューも。

大きく分けて4つのゾーンに分けられる、あわしまマリンパーク。スタッフ手作りの展示紹介がある「水族館エリア」に、ペンギンを見られる「いきもの広場」。日本だけでなく世界の珍しいカエルを展示している「カエル館」。

そして、アシカやアザラシがいる海獣エリアです。

オープンは40年前

沼津市民はもちろん、多くの県民から親しまれてきた「あわしまマリンパーク」。オープンは、今から40年前の1984年でした。最大の特徴は、その立地。駿河湾に浮かぶ無人島の一角に、海を生かして作られています。

園の目玉は、イルカやアシカのショー。ペンギンたちが滑り台を流れるアジを食べる、流しそうめんならぬ、流しアジのイベントも。

50種類以上を常時展示する、国内最大級のカエル館も人気を集めました。

アニメの舞台になり脚光

三浦徹記者:「あわしまマリンパークです。例年11月というとシーズンオフということですが、大勢の観光客が訪れています」

「あわしまマリンパーク」が脚光を浴びたのは、2016年のこと。人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に、園内の施設がモデルとして登場したことで、多くのファンが“聖地巡礼”のために訪れました。

その効果もあって、来場者は倍以上に。しかし、新型コロナの感染拡大によって再び客足は落ち込んでいました。

突然の「閉園」発表

そして1月22日、「2月12日で閉園する」と発表。閉園までの時間は、わずか3週間でした。すると…。

能地優アナウンサー(10日):「3連休の初日、たくさんのお客さんが列を作っています。これからあわしまマリンパークに向かう船に乗り込んでいくところです」

別れを惜しむファンで、連日大盛況。3連休初日の10日は、アニメに登場するキャラのバースデーイベントが重なったこともあって、午前7時半に、駐車場が満車に。午前9時前には、当日の入場を規制するほどの大混雑となりました。

手作りの人形と駆け付けた熱烈なファンの姿も…。

埼玉県在住 会社員(30代):「カエル館と合わせて9人が並んでいるところを撮ろうと思っています。年間パスを買って何度も来ているところなので、(閉園する)日が来ちゃったか、というところです」

Q.もしかしたらきょうが最後の撮影かもしれませんね
A.「もしかしたら最後かもしれませんが、閉園しないことを祈っています」

館長「再開をあきらめていない」

閉園の理由は、施設の老朽化に加え、エサ代や燃料費の高騰。館長は「再び開業したい」と、園を継続する方法を模索しています。

あわしまマリンパーク 伊藤裕館長:「現場の私どもとしては、(再開を)あきらめていないところがあります。新しい企業、オーナーを引き続き探している現状であります。閉園の撤回や閉園した後でもすぐ再開業という形ができるような方向に向けて頑張っていきたい」

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