「世界に俺たちのやってきたことを見せてきてくれ」オカダ・カズチカが棚橋弘至との最後のシングルマッチで勝利し号泣!

11日、大阪府・エディオンアリーナ大阪にて新日本プロレス『THE NEW BEGINNING in OSAKA』が開催。オカダ・カズチカと棚橋弘至がおそらく最後になると思われるシングルマッチを行った。

オカダは2004年に闘龍門でデビューするも、その後新日本でヤングライオンからやり直して2008年4月に再デビュー。TNAでの海外修業を経て2011年に凱旋帰国。その後、2012年2月に当時24歳で棚橋弘至を撃破してIWGPヘビー級王座を戴冠した“レインメーカーショック”は現在まで続くプロレスブームの走りとなったと言える。
衝撃的な世代交代を果たしたオカダは新日本のアイコンとして君臨。G1 CLIMAXおよびNEW JAPAN CUPの歴代最年少優勝記録更新、IWGPヘビー級王座の歴代最多連続防衛、最長保持期間記録、最多通算防衛記録など数多の金字塔を打ち立ててきた。

今年1月19日には、新日本プロレスよりオカダが1月31日を以て契約満了により新日本を退団することが電撃発表。同月24日に所属としての最終戦を終え、現在はフリーとして新日本に参戦している。
そんな中、今大会ではオカダvs棚橋のシングルマッチが実施。“レインメーカーショック”からちょうど12年経ってのこのカードに向け、オカダは「棚橋弘至に外敵として社長業に専念させてやりたいなと思います」とかつての不遜なキャラクターを感じさせるコメントを発表。棚橋は「12年前の悔しい思いを忘れていない。オカダにしっかりリベンジして送り出してあげたい」と気炎を上げていた。

2012年2月12日、まさにこのエディオンアリーナ大阪で起きたレインメーカーショックからちょうど12年経ったこの日の試合。これが17度目のシングルマッチとなる。
棚橋は『HIGH ENERGY』で入場。オカダも当時と同じ髪型と髪色で入場する。

試合はじっくりとしたロックアップから始まり、棚橋がブーメランアタック、ドロップキックからエアギターを奏でる。オカダが棚橋をコーナーに上げて地対空ドロップキックで場外に蹴落とし顔面を踏みつけると観衆はあの日と同じ大ブーイングを送る。
オカダは自ら首を突き出して棚橋にエルボーを要求。棚橋が連打からフライング・フォアアーム。さらにサンセットフリップからドラゴンスクリュー、コーナートップから場外へのハイフライアタックまで繰り出していく。
オカダは棚橋のスリングブレイドをフラップジャックで切り返し、リバースネックブリーカーからヘビーレイン。さらにダイビング・エルボードロップからレインメーカーポーズを決めると場内は大歓声に包まれる。
オカダがレインメーカーを発射も、棚橋がスリングブレイドで切り返しツイスト・アンド・シャウト、ドラゴン・スープレックスと猛攻。さらにスリングブレイドからハイフライフローを発射するが、オカダが剣山で迎撃。
オカダはショットガンドロップキックからショートレンジ式レインメーカー。棚橋もドラゴン張り手で猛反撃するが、オカダが顔面をぶち抜く打点の高いドロップキックからツームストンパイルドライバー。棚橋もレインメーカーを電光石火で切り返す粘りを見せるが、オカダがランドスライドからレインメーカーで叩き伏せて3カウントを奪った。

泣きじゃくるオカダに棚橋が優しく語りかけ、2人はライオンマークの上でしっかりと抱擁。そしてオカダはライオンマークにしっかり座礼で感謝の気持を伝えてからリングを去った。

バックステージに戻った棚橋は、「オカダ、最後シングルマッチ、ありがとな。12年続くこの闘いも今日で闘い納めか……。俺が負け越した相手はそういないから。あの野郎……。俺から言いたいことは1つ。オカダ・カズチカを世界に見せてきてくれ。そうしたら、俺は鼻が高いよ。オカダに勝ったことがあるって、みんなに言いふらすから」と笑顔。

その後オカダと合流し、泣きじゃくるオカダに「俺はお前を誇りに思ってるから。世界にさ、俺たちのさ、ここでやってきたことを見せてきてくれよ。12年よくやったな」と声をかけた。

その後、オカダは「やっぱりレインメーカーっていうのは棚橋さんあってのレインメーカーだったと思うし、大阪っていう地もレインメーカーの始まりの場所でもあるし。いやあ、泣きすぎでしょう。もういいよ。そんな泣くんだったら、なぜ離れるっていう話になっちゃうし。でも、それぐらい大事な団体っていうことですし。まあ本当に棚橋さんの、新日本プロレスの誇りになれるように、また次も進んでいきたいなと思います」と涙ながらに心境を吐露。
しかし、最後は「まだ(新日本での試合は)あるから。あと俺はもう新日本じゃねえから!潰すかんな、この野郎!」と、最後は“オカダ・カズチカ”として不敵な宣戦布告を行った。

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