「俺が新日本プロレスで創り上げられたことを光栄で誇りに思う」ウィル・オスプレイが新日本プロレス最後の試合で大流血!「必ず帰ってくる」と男の約束!

11日、大阪府・エディオンアリーナ大阪にて新日本プロレス『THE NEW BEGINNING in OSAKA』が開催。ウィル・オスプレイが新日本プロレスでの最後の試合を終えた。

1月5日の墨田区総合体育館大会では5vs5の全面対抗戦が行われたが、WAR DOGSの蛮行によってわずか5分でノーコンテストに。
これに納得行かないウィル・オスプレイは、自身が新日本最後の試合となる2月11日の大阪大会で5vs5のノーDQ金網戦での全面対抗戦を要求。今日に至るまでバチバチの抗争を展開してきた。

傍若無人ではあるものの悪の絆と圧倒的強さを誇るWAR DOGSに対し、UNITED EMPIREは様々な問題を抱えていた。
1月5日の全面対抗戦でアキラはドリラ・モロニーに顔面をフォークで滅多刺しにされ大流血したことにトラウマを抱え、ともにIWGPジュニアタッグ王座を保持していたパートナーのTJPがヘビー級転向を仄めかしたことからさらに精神が不安定に。今月4日に行われたクラーク・コナーズ&ドリラ・モロニーとの防衛戦ではアキラが凶器のフォークを持ち出されたことでPTSDに似た症状を引き起こし戦意を失って敗戦し王座陥落。
オスプレイが離脱するということもあり、UNITED EMPIREにとって今回の試合は正念場と言えた。

この日の試合は、ノーDQ反則裁定無しのドッグパウンドケージマッチで実施。リングサイドではオスプレイの恋人でありAEWなどで活躍し東京女子プロレスではインターナショナル・プリンセス王座も戴冠したアレックス・ウィンザーが見守る。

まずはオスプレイとフィンレーの対面で試合開始。次の選手が入場するまでの時間が2分から5分に変更され、最初の5分は2人での一騎打ちに。オスプレイが挨拶代わりの空中殺法で圧倒していく。
モロニーがオスプレイの弟分であるカラム・ニューマンを首輪で繋いで引きずりながら入場しケージに手錠で縛り付ける。これに動揺したオスプレイが2人から袋叩きにされる。HENAREの登場で一時は逆転するが、コナーズが登場して有刺鉄線でオスプレイの顔面を切り裂いて大流血させて戦線離脱させる。TJP、コグリンが登場。コグリンがおびただしい量のイスを使って大暴れしていくと、アキラが救援に登場しケージ頂上からのプランチャでケージイン。竹刀やイスでフィンレーをしばき倒すが、コナーズがスピアーでテーブルに叩き込んで戦線離脱させる。
ここにゲイブが押し車に大量の凶器を詰め込んで登場。WAR DOGSが全員で血まみれのオスプレイをリンチしていくが、コブが現れると全員を千切っては投げ千切っては投げの大暴れ。オスプレイがコグリンにリープ・オブ・フェイトを決めるもWAR DOGSがありったけの凶器を使って総攻撃。
しかし、TJPが“アスワン”となって再登場しCatch 2/2の連携で一気に逆転。戦線離脱していたHENAREも応急手当を受けて再登場しHENAREが金網上からのダイビング・セントーン。
オスプレイがフィンレーにオスカッターを発射もフィンレーがPrima Noctaで切り返す。オスプレイがすぐさまヒドゥンブレイドを叩き込み、ストームブレイカーの体勢に入るが、フィンレーがIN TO OBLIVIONで切り返す。
ここでフィンレーが指示を出し、外道が有刺鉄線の巻きつけられたテーブルをケージへ運び込む。オーカーンが外道を折檻して鍵を奪い取り、ニューマンの手錠を解錠して救出する。
オスプレイがフィンレーへ、ニューマンが外道へ同時にオスカッターを放つ師弟連携。続けてオスプレイがフィンレーを有刺鉄線テーブルへ投げっぱなしパワーボムで叩きつけるが、WAR DOGSの面々は試合中にも関わらずリングの解体を開始。宇宙大戦争さながらの風景が広がる。
フォークのトラウマを乗り越えたアキラが奮戦するも、ゲイブ&コグリンが上から飛びつく合体パイルドライバーで頭頂部から板に突き刺す。オスプレイがすんでのところでカットし、意識朦朧となったアキラの救命活動へ。
オスプレイはアキラを場外に逃し、1人で5人を相手に対峙。フィンレーは両手を広げて大笑いで「ヒット・ミー!」とヒドゥンブレイドを要求。オスプレイは大きく一歩を踏み出すも力なく倒れ込んでしまう。コナーズ&モロニーのスピアー&ゴアからフィンレーがオーバーキルで叩きつけて3カウント。64分5秒の死闘に終止符を打った。

フィンレーは「WAR DOGSがこの新日本プロレスを支配したッ!」と一言勝鬨をあげ、WAR DOGSの仲間たちとともに意気揚々と退場。

リングに残されたオスプレイには会場全体から割れんばかりの「サンキュー!オスプレイ!」の大合唱。オスプレイは感謝の涙を流しながら起き上がり深々と一礼。
その後、マイクを取って「8年間、ここはホームだった。ヤングボーイだった俺が成長する姿を皆が見てくれた。またいつかここに帰ってくることを約束する。だから、みんな俺のことを忘れないでくれ。俺もみんなのことを決して忘れない。新日本プロレスが創り上げてきたものを世界で見せてくる。必ず帰ってくる!だから、それまで……マタネ!アリガトゴザイマシタッ!」と絶叫。
オスプレイはアレックス・ウィンザーとしっかり抱き合い、割れんばかりのオスプレイコールの中で退場していった。

バックステージに戻ったオスプレイは「8年間の最後の日だ。22歳のガキで、俺は日本がメチャクチャ怖かった。自閉症とADHDを持っていて。日本に初めて来た時は痩せていて、日本語も全くわからなかった。俺は親でもあり、素晴らしい妻もいる。こんなに血まみれでイヤと言われそうだな(笑)数多くの移動や日々の子育てで、崩れ落ちそうなほど疲れ切っていた時期もあった。決して心が重いわけではない。AEWとの契約には新日本プロレスとの試合も含まれている。ただ、それがいつになるかわからない。2020年のコロナ禍で、人は俺たちに強くいること、“声”の代わりになることを求めた。実際、声、声援が戻ってまだ1年も経っていない。2023年の5月だ。常に上り坂の道のりだった。でも、男の約束だ。俺は必ず戻ってくる。必ずだ。本当にみんなのことを愛しているんだ。ここまで成長した自分のことも好きでいられるのも、日本のおかげだ。俺がここ新日本プロレスで創り上げられてきたことに光栄で誇りに思う。新日本プロレスは家族。ホームだ」と内心を吐露。

そして、「最後になにか言うとしたら、ヤングボーイ、カラム・ニューマンってのがいるだろ?あいつは俺よりももちろん若いが、すでに俺よりも優れている。俺が恐れているのは、俺たちがすごくよく似ているということ。だからミスを犯すときもあるだろう。でもそんな時は、俺にやってくれたように、立ち上がる手伝いをしてやってほしい。責任を感じているんだ。俺の時のように、助けてやってほしい。育ててほしい」と、後継者にニューマンを指名して今後の新日本プロレスを託した。

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