上田綺世が移籍後初めてリーグ戦で先発! 敵の“穴熊戦術”に苦しみながらも「楽しかった」と振り返れた理由【現地発】

2月11日の『ロッテルダム・ダービー』で、フェイエノールトの上田綺世が移籍後初めてオランダリーグで先発を果たした。エースストライカー、サンティアゴ・ヒメネスがふくらはぎを負傷したことから回ってきたスタメンのチャンスだったが、スパルタの穴熊戦術にハマり、結果を残すことができなかった。

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ポゼッションを放棄してゴール前を固めたスパルタは、ストライカーの斉藤光毅、右ウイングの三戸舜介も9割型守備に力を割いて、フェイエノールトの攻撃陣に自由を与えなかった。前半に70%を超すポゼッションを記録し、13本のシュートを放ったフェイエノールトだったが、苦し紛れのものが多く、枠内シュートはCBトーマス・ベーレンがミドルレンジから放った1本だけだった。

後半も展開は変わらず、フェイエノールトはスパルタの堅守をなかなか破れない。ようやく57分、CBハンスコのPKで先制してからスペースが生まれ、63分に右SBヘールトラウダのボレーシュートでスパルタにトドメを刺し、2-0の順当勝ちを収めた。上田はフル出場、斉藤と三戸はコンディションの理由から揃って72分にベンチに退いた。

上田のシュートは3本。28分、左ウイング、パイションの低いクロスを、左足で合わせたボレーはDFにブロックされた。さらに53分、右ウイング、ミンテ―のグラウンダーの折返しにダイレクトで右足を振ったが、大きくゴールの枠を越していった。

79分、上田はゴール正面から敵の左背後にフリーランニングし、MFミランボのスルーパスを引き出して難しい姿勢から左足シュートを撃つも、GKオライにセーブされた。後半アディショナルタイムにはヘディングでMFリングルにラストパスを通す。終盤、相手チームに怖いと思わせるプレーを2回見せたが、試合全体を振り返ると、スパルタゴール前の狭いスペースに苦しみ続けた90分間だった。

「いやぁ、難しいですね。リーグ戦で初めてのスタメンでしたけれど、チャンピオンズリーグは相手も強い。しかしリーグ戦になると今日みたいにガッツリ引かれてカウンター狙いみたいな。ボックス内にスペースがないので、どうやってボールを受けるのか指示もいろいろあったんですが、タイミングとか、なかなかボールを引き出せなかったなというのが一つ。でもそうやって、自分がうまくいかないこととか、(実戦の)感覚を感じられた。楽しかったと言えば楽しかったです。

結局、ほぼシュートを撃ててないので、チャンスを作ることに全然至れなかったなというのが今日の感想です」

スパルタの徹底した守備戦術に「こうやってリーグ戦では今日みたいに引いて、徹底的してフェイエノールトをリスペクトしたうえでプレーしてくる」とビッグクラブのストライカーを務めることの難しさ、厳しさを感じたようだった。

取材・文●中田 徹

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