独FRAPORT SKYLINERSが北海道を下して頂点に立つ[Bリーグ U18インターナショナルカップ2024]

ドイツFRAPORT SKYLINERSが頂点に

2月12日、「Bリーグ U18インターナショナルカップ2024」(国立代々木競技場第二体育館)大会最終日、決勝および順位決定戦が行われた。決勝では190cmオーバーが9人というドイツFRAPORT SKYLINERSが、北海道に対して前半作ったリードを守りきり、優勝を果たした。

まず行われた5位決定戦は、広東宏遠が琉球に81-58で勝利。広東宏遠は特にインサイドで強烈なプレッシャーをかけて、琉球のオフェンスをスローダウンさせると、#9ユウ ソウコンが21リバウンドの活躍。#6リ ゲンのシュートタッチがよく、194cm#7カ シンホウにクイックネスを披露するなど、終始主導権を握った。琉球は4Q終盤、引退試合となる3年生をコートに送り出した。するとU15チームから共に戦ってきた#0須藤春輝の演出で#1宜保隼弥が3Pシュートをねじ込み、#87比嘉圭もミドルシュートを決めるなど見せ場を作っている。
広東宏遠のキャプテン、#3ヨウ イツは「日本のチームと対戦でき、とても勉強になりました。中国ではどのチームにも楽勝でしたが、日本のチームはスピードがあって戦い方もハード。スピードは特に驚きました。僕は中国では身長が低い方なのでそのテクニック、スピード、パスの速さなどを学びたいと思います。とても勉強になりました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました」と新たなバスケを知ることができたと感謝した。

高い身体能力を披露した広東宏遠U18#23ショウ カヒ

#0須藤春輝(琉球U18)は同じ一期生として#1宜保隼弥、#87比嘉圭と共にコートに立った

続く3位決定戦では千葉Jと名古屋Dが対戦。立ち上がり、#00関谷間、#18クーリバリ セリンムル タラらの得点で12-5というスタートを切るが、名古屋はすぐに#2若野瑛太、#7今西優斗、#70中西真那斗の主力3人が存在感を発揮。特に#7今西は前半21得点と爆発を見せて45-38としてハーフタイムを迎えた。しかし3Q、驚きの展開になる。「名古屋Dとは3度して、すべて後半ペースを掴まれて敗れていたので、悪い時が来ても同じ方向を向いて頑張ろうと話していました」と千葉Jキャプテンの#2崎元颯が語ったとおり、集中力がアップ。相手のピックプレーに対して上手く対応してボールをプッシュすると#30小倉貴志、#17佐藤亮太、#14川邉蒼侑らが次々と得点。29-10というビッグクォーターを作って逆転し、67-55で4Qを迎えた。
しかし、名古屋Dは勝負どころで強いチーム。4Q、ディフェンス強度を上げて20-6のランを作る。残り3分19秒、#7今西の3Pプレーで73-73と追いつくと、#2若野のフィールドゴールで逆転に成功した。再び悪い流れとなった千葉J。だが“悪い時にでも同じ方向を向いて頑張ろう”という言葉がここでも生きる。千葉Jは#18クーリバリがフリースローとドライブか2本シュートをねじ込むと、#00関谷も続いて残り46秒で80-75に。名古屋Dはファウルゲームを展開したが奏功せず。87-79で千葉Jが名古屋Dに対して初勝利し、3位となった。

劇的な勝利を果たした千葉J U16

両チームトップとなる30得点をマークした#7今西優斗(名古屋D U18)

そしてクライマックとなった決勝は2年連続の3冠(U18チャンピオンシップ、U18エリートリーグ、U18インターナショナルカップ)を狙う北海道とFRAPORT SKYLINERS(以下FRAPORT)が対戦。北海道はまず#11内藤耀悠のミドルシュートで先制する。対するFRAPORTはドイツU16代表、203cm#13イヴァン・ツルンヤツの3Pシュートで初得点。果敢にペイントにアタックするFRAPORTに対して、北海道は複数でうまくガードしていく。それでもFRAPORTは#13ツルンヤツの外が入りだすと、#9ゼントグラフもインサイドで躍動。#5村上琥羽の3Pシュートで追加点を奪ったものの、FRAPORTが23-7とリードを作って1Qを終えた。2Qに入ると、FRAPORTは攻防で北海道を圧倒。北海道は#6赤根涼介の3Pシュートで、#10越後晴貴、#4阿部竜大がドライブから上手さを見せて得点してみせたが、FRAPORT の49-20で2Qを終えた。

ハーフタイム中、北海道は齋藤拓也HCが選手たちに「もう一度立ち直ろう。自分たちはトライしていかなければいけないんだ」と発破をかけると、ライバル名古屋Dの大西順HCもフロアに降りてきて「頑張ってくれ」と鼓舞。すると3Q持ち前の連動性が見え始め、#5村上、#4阿部、#6赤根の3Pシュートが決まるなどいいオフェンスが出て3Qは18-16と上回る。さらに4Qに入ると#11内藤、そして#4阿部が積極的にドライブして得点につなげて4Qも19-14と上回ったが、大量リードを作っていたFRAPORTが79-57で北海道を下して優勝した。表彰式で、FRAPORTのキャプテン#7ヨッシャ・ゼントグラフは「今回の大会、非常に良い経験をさせていただきました。日本のチームの皆さんは非常に3Pが多いという印象を受けました。初戦は適応するのが非常に難しかったですが、試合を重ねるごとに慣れ、こういう結果が出て非常にうれしく思います」と日本チームのゲームに対応できたとスピーチした。

オールラウンドなプレーを披露したドイツU16代表でもある203cm#13イヴァン・ツルンヤツ

北海道 U18は後半は立ち直ってみせた

この大会はBリーグU18チームと海外チームの交流を通して、世界に挑戦する意識を高め、世界に通用する選手の輩出に向けた育成強化の礎を形成するための機会を提供することを目的としたもの。海外勢との戦いという貴重な経験をした4チームは、これを新チームで生かし、他チームに影響を与えることになる。新年度でまず行われることになるU18リージョナルリーグでどんな戦いが見られるのか、注目である。

■試合結果
・2月10日
<グループA>
広東宏遠U18(1勝) 100-85 琉球 U18(1敗)
北海道 U18(1勝) 87-44 琉球 U18(2敗)
北海道 U18(2勝) 102-92 広東宏遠 U18(1勝1敗)
<グループB>
FRAPORT SKYLINERS U18(1勝) 88-81 千葉J U18(1敗)
名古屋D U18(1勝)96-79千葉J U18(2敗)
FRAPORT SKYLINERS U18(2勝) 97-65名古屋D U18(1勝1敗)

2月11日 (日)
[準々決勝A]名古屋D U18(B2位)83-67琉球U18(A3位)
[準々決勝B] 千葉J U18(B3位)89-87広東宏遠 U18(A2位)
[準決勝]北海道U18(A1位)67-59名古屋D U18(B2位)
[準決勝] FRAPORT SKYLINERS U18(B1位)88-71千葉J U18(B3位)

2月12日 (月・祝)
No.試合開始時間ラウンド対戦カード
[5位決定戦] 広東宏遠 U18(A2位)81-58
琉球U18(A3位)
[3位決定戦] 名古屋D U18(B2位)79-87千葉J U18(B3位)
[決勝] FRAPORT SKYLINERS U18(B1位)79-57北海道U18(A1位)

■MIP
#11C内藤耀悠(北海道 U18)
#00関谷間(千葉 U18)
#7今西優斗(名古屋D U18)
#0須藤春輝(琉球U18)
#9ライフ・ゼントグラフ(FRAPORT SKYLINERS U18)
#23ショウ カヒ(広東宏遠U18)

■最終順位
優勝:FRAPORT SKYLINERS
準優勝:北海道U18
3位:千葉U18
4位:名古屋D U18
5位:広東宏遠U18
6位:琉球U18

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