フーシ派、イラン行き船舶初攻撃か 「独自行動」示す狙いとの見方

Nayera Abdallah Jonathan Saul

[ドバイ/ロンドン 12日 ロイター] - イエメンの親イラン武装組織フーシ派は12日早朝、紅海でイランに向かっていた貨物船に2発のミサイルを撃ち込んだ。米軍が明らかにした。ただ、船体に大きな被害はなく、負傷者も出ていないという。

海運関係者によると、フーシ派がイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争に関連して船舶への攻撃を開始して以来、イラン行きの船舶を標的にしたのは初めてのもようという。

米中央軍によると、ミサイルは2発ともブラジルからトウモロコシを運んで航行中のギリシャ企業所有のマーシャル諸島船籍船「スター・アイリス」に向けて発射された。

一方、フーシ派の報道官は、標的としたのは米国の船としている。

船舶追跡情報によると、同船はマーシャル諸島船籍で所有者はギリシャとなっている。

地域の安全保障当局者は、今回の攻撃は「イランがフーシ派を支配しておらず、独自に行動していることを示す」目的で行われたと指摘。フーシ派は事前にイラン政府に通知していたと述べた。

スター・アイリスはアテネに本社を置き、米ナスダックに上場しているスター・バルク・キャリアーズが管理するパナマックスバルカー。

スター・バルクの広報担当者は、こうした攻撃の封じ込めを任務とする米主導連合に質問するよう求めた。

イラン当局者からはコメントを得られなかった。イランの食料品貿易は米国の制裁の対象外となっている。

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