東日本大震災を知る職員が能登半島地震被災地で活動 暮らし支える「道路」復旧へ 国交省三陸国道事務所が派遣 現地リポート

能登半島地震の発生から6週間。被災地では道路網の復旧へ岩手県から派遣された国交省職員が活動しています。現地からのリポートです。

能登半島地震で道路の被害が特に大きかったのが輪島市、珠洲市、穴水町、能登町からなる奥能登地域です。

(リポート)
「路面の陥没、崩落など被害が大きかった奥能登へとつながる幹線道路です。ここに来る途中も応急処置によって辛うじて片側通行できる程度のところもあり。まだまだ復旧というにはほど遠い状況です」

住民が日常の暮らしを取り戻すため、道路の本格復旧に向けた動きも出始めています。国土交通省のTEC―FORCE=緊急災害対策派遣隊として穴水町の被害状況の調査にあたっている、東北地方整備局三陸国道事務所の佐藤秀一さんです。

2月8日から他の隊員3人とともに富山市を拠点に復旧支援を行っています。

12日は富山市から3時間かけておよそ120キロ離れた穴水町に到着しました。能登半島中央部に位置する半農半漁の町・穴水町。ここでは3225棟の建物が何らかの被害を受けています。

佐藤さんが所属する東北地方整備局からは常時6つの班が派遣されていて、穴水町の町道352路線の被害状況を全て歩いて調査しています。
12日調査に入った岩車地区はまだ水道が復旧していませんが、それでも住民の多くが自宅に戻っていました。

(穴水町岩車地区の住民)
「穴水総合病院に設けられた自衛隊の風呂に行かなければならない。早く水が来てほしい。(地震に)やられましたけど元に戻って生活したいと思っています」

道路のひび割れや段差など一つひとつの被害箇所を正確かつ迅速に記録する地道な取り組みは、今後の復旧を加速させる第一歩です。
一見被害のなさそうな道路も・・・

(三陸国道事務所 佐藤秀一さん)
「ちょっとクラックが入って崩れかけている。ほっとくとここから雨とか水が入ってガサッと落ちてしまう」

すでに発生した被害はもちろん、これ以上の被害を未然に防ぐのはこの道39年目という経験のなす技です。佐藤さんは東日本大震災発災時も三陸国道事務所で勤務していました。

(三陸国道事務所 佐藤秀一さん)
「全国の地方整備局から、色々なところから応援をいただいております。応援される側から応援する側になったのかなと」

(リポート)
「住民が元の暮らしを取り戻すにはまだまだ長い時間がかかるとみられる能登半島地震の被災地。そうした中で東日本大震災の経験も生かしながら復旧に向けた小さな一歩が踏み出されています」

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