すれ違いと悲劇の幕開けを描く映画「天地四心伝」の前日譚――「アイドルマスター SideM」朗読ステージ DAY2をお届け

■DAY2出演者

寺島拓篤さん(天ヶ瀬冬馬役)
永野由祐さん(神楽麗役)
堀江瞬さん(ピエール役)
菊池勇成さん(蒼井悠介役)
増元拓也さん(信玄誠司役)
バレッタ裕さん(華村翔真役)
千葉翔也さん(秋山隼人役)
永塚拓馬さん(冬美旬役)
野上翔さん(伊瀬谷四季役)
益山武明さん(紅井朱雀役)
児玉卓也さん(卯月巻緒役)
古畑恵介さん(橘志狼役)
寺島惇太さん(大河タケル役)
濱野大輝さん(円城寺道流役)
三瓶由布子さん(秋月涼役)
比留間俊哉さん(九十九一希役)
汐谷文康さん(北村想楽役)
大塚剛央さん(眉見鋭心役)

本イベントは、315プロダクションのアイドルが映画やドラマなど、さまざまなお仕事に挑む姿を描く新感覚の朗読劇ステージとして展開。今回は和風ファンタジーの新作映画「天地四心伝~丹碧の乱~」、その前日譚を描く「天地四心伝~千紫万紅の乱~」で異なる2つの物語を描いていく。

なお、本ライブは現地での有観客に加えて「ASOBISTAGE」での配信も行われている。アーカイブ配信はDA1/DAY2共通で2月12日(月)18時~2月19日(月)23時59分(購入は2月19日(月)12時)まで行われる予定だ。また、アーカイブでの追加カメラアングル、映画「天地四心伝」のデジタルポスター(2種)が付属する豪華配信セットも用意されている。現地を訪れたプロデューサーも、リアルタイムに視聴できなかったプロデューサーもこちらをぜひ利用し、2月17日・18日に実施されるアーカイブ同時視聴上映会へ参加しよう。

■穏やかなやりとりに心が癒される日常パート

今回の日常パートは、DAY1で披露された「丹碧の乱」のクランクアップ直後からスタート。ここでも族長役の道流、冬馬、鋭心、一希、麗の5人が集められ、彼らを中心にレッスンが進んでいく。アイドルたちは「千紫万紅の乱」の舞台は「丹碧の乱」から十数年前の出来事ということや、道流の役には3人の息子がいることなどが気になった様子を見せ、前日譚から繋がっていく歴史や人物の成長、関係性の変化などを表現していきたいと意気込みを語る。

アクションの多い鬼族ではタケルが隼人や悠介をサポートし、鋭心もしっかり順序だてて動きを確かめていく。これまでの仕事で得た殺陣の経験も生きているようで、兜大吾が練習を覗きにくることもあったという。鋭心は「鬼こそが最強という演技を見せたい」、タケルは「全員倒さないようにしないと」と気合いも十分で、なかでも2人で1役を演じる鋭心は雨彦と意見交換を行い、考え方の変化など共通認識をもったと話す。隼人は翼と感情を表に出さない役を演じるため、にらめっこで訓練したことも明かしていた。

別の仕事に出ていた桜庭薫から電話が入り、水分補給に塩分補給、十分な睡眠や休息、準備運動やストレッチにいたるまで事細かにメンバーへ注意を行う。そんな様子に、周囲からは「お父さんみたい」とささやかれていた。

竜人族のグループは、ピエールとその護衛役を務める巻緒、旬が演技プランを固めていく。ピエールは役作りのため北斗とたくさん話したといい、一希もピエールの兄役であることが嬉しいと互いを思い合う。一方、同年代の玄武と十数年も時代が違う同じ役を演じることに複雑な感情を見せる旬に対し、一希は「寿命が長いことに起因している」などの設定を考えてみるのもいいと元小説家らしいアドバイスをおくる。

グループ内での結束を強めるため、何をすればいいかプロデューサーに聞く“いつもの”場面も。非常に分かりやすく選ばれたのは「誰でしょうゲームをする」で、一希が「315プロダクションの誰か」というお題で「サポートが得意な人」「釣りが好きらしい」「情熱的な人と一緒にいる」というヒントを与え、ほかのメンバーが該当の人物を当てていった。さらに荘一郎からの差し入れスイーツにお礼の電話をかけながら、グループ内の団結を図っていく。

衣装合わせをしていた獣人族のグループは、メガネのない四季や髪を下した朱雀といった普段とは違う姿のメンバーで盛り上がる。また「丹碧の乱」と同様、にゃこが成長したら渡辺みのりになることへの衝撃も話題に。族長を演じる麗も、いつもの自分とは正反対だが、違う一面を見せる機会だと前向きな姿勢を見せていた。

そんな中、プロデューサーから衣装合わせの写真を受け取った天道輝から電話が。志狼から役柄について「じいちゃんみたい」と言われた流れで渾身のダジャレを2度も放つが、素直な性格の面々には一切伝わらず、唯一理解した四季だけが「分かっているから!」と力強く輝に応えていた。

人間族のグループも熱心にアクションの稽古を行っていて、大吾をはじめピエールや山下次郎、THE 虎牙道らもサポートに入る。すでに人間族をしっかり演じた面々の練習を見学したこともあったようで、口調をモノマネしながらその時の様子を伝えあっていた。そこへ舞田類、アスラン=ベルゼビュートII世から電話が入り、アスランの独特の言葉遣いを悩みながらも冬馬と涼は受け止めていく。また、アスランの協力もあり人間族の親睦会はCafé Paradeの店舗で行うことになった。

鬼人族のグループは、道流が稽古場で次郎と雨彦からも「父上」と呼ばれてしまい困惑したと誠司に話す。緊張していた道流を「若いが頼もしさがある」と誠司が励まし、無事にクランクアップしたら歓送会をしようと提案する。そこへ古論クリスから電話が入り、セリフのタイミングについて意見がほしいと相談を持ち掛ける。道流や誠司は体を動かすのは得意とはいえ、成長するスピードに負けていられないと気持ちを新たにしていた。

いよいよクランクインが明日に迫り、緊張をほぐすためプロデューサーの選択で「みんなで発声練習」を行うことに。会場の全員で「パッション!!」と叫び、今回は紫耀英の息子である3人の音頭で「We are 315!!」と気合いを入れて撮影に臨む。

■十数年前に何が起きたのか――悲劇のきっかけを描く「千紫万紅の乱」

マナームービーやイーグルマークなど映画さながらの演出を挟み、ついに「天地四心伝~千紫万紅の乱~」が幕を開ける。DAY1で公開された「丹碧の乱」から十数年前の世界が舞台で、鬼人族による天下統一がささやかれるも世継ぎ争いが日々苛烈になり、竜人族を蝕む狂竜病の流行で混沌としていた。

狂竜病により暴れる竜人族を応然(旬)、珀瑛(巻緒)が鎮め、心を痛める劉爽(ピエール)に、そうするしかない、責めてはいけないと劉帆(一希)と崔亮(荘一郎)は優しく諭す。病の前兆に気づいても何もできないと族長としての力不足を嘆く劉帆(一希)は、この状況を打破するため鬼人族への相談を決意する。

鬼人族側も竜人族に恩を売れば今後の戦が楽になると考え、医療研究者の凪左(アスラン)へ病の治療を一任。一方、鬼人族の後継者争いを偃月(クリス)は憂いていたが、紫耀英(道流)は「力ある者が後を継ぐ」とはっきり決断せずにいた。そんな中、後継者候補の蒼生(冬馬)は紅蓮(鋭心)と共に争いのない世界を実現することを夢見る。

人間族と竜人族へ協力することを「後継者が蒼生(冬馬)になるのでは」と睨む鬼族の不知火(薫)は、獣人族への支援と並行して「とある計画」を推進。食糧不足に苦しむ獣人族へ「弱っている子供を救うため、鬼族の血を使った研究」への協力を求める。すべては後継者争いの際の後ろ盾という建前を信じた獣人族の族長・結(麗)は、鬼族の燈(悠介)や燐(タケル)たちへ子供たちを託してしまう。

ついに劉帆(一希)も狂竜病を発症してしまうが、凪左(アスラン)の尽力で病を抑える薬の開発に成功。ついに鬼人族と竜人族との同盟が実現することとなり、盛大に宴が開かれることになる。しかしこの祝いの席こそが、多くの犠牲を生む始まりとなってしまうのだった――。

すでにDAY1で「丹碧の乱」を視聴し、ここから先の物語の結末をほぼ知っていたプロデューサーであれば、色々と腑に落ちる展開も多かったことだろう。何故、共に生きていた紅蓮と蒼生が雌雄を決することとなったのか。何故、獣人族が鬼族をひどく憎むのか。何故、竜人族が厳しい掟を定めて他種族との交流を絶ったのか。そもそもの原因はどこにあったのか。後継者争いの裏で、どのような悲しいすれ違いが起きていたのか。すべて分かったうえで体感したとしても、その衝撃は大きかったはずだ。

善意や厚意で生まれかけた希望が、悪意や疑念で絶望に代わる様は本当に胸が痛むばかりで、とくに一プロデューサーとしては「どうしてよりによってこの設定のキャラクターをこのアイドルに演じさせたのか」と理解や納得はしつつも苦しさでさまざまな感情が去来してしまった。DAY1に続き、あまりにも救いのない展開にぐったりしてしまうかもしれないが、アイドルたちの真に迫った演技は何とか頑張って見届けてほしいと思う。残念ながら心に受けるダメージが軽減されるわけではないが、これから視聴するのであればDAY2を先に見てからDAY1を見てもまったく問題はないので、どちらからでもオススメだ。

DAY1に続き、今回は族長を演じた5人による主題歌「四心争乱 -天地一指-」と、和風アレンジされた「DRIVE A LIVE ~天地四心伝 Ver.~」でイベントは終了したが、映画「天地四心伝」が公開された後のアイドルたちを描く連動ストーリーの公開をはじめ、2月にはF-LAGSとTHE 虎牙道に新たなストーリーが追加されることが発表に。銚子電鉄開業100周年を記念したJupiterが歌うテーマソングも視聴開始となり、2024年夏に9thライブ開催も決定したので続報を楽しみに待っていよう。

公式サイト
https://idolmaster-official.jp/live_event/sidem_prs2024/

THE IDOLM@STER(TM)& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.


© 株式会社イクセル