北村宏司騎手「皆さんに知ってもらうというのは大きい」引退馬セカンドキャリアについての対談…ホースメッセTOKYO2024

2月12日、第6回ホースメッセTOKYO2024がJRA馬事公苑で開催され、TCC Japan代表・⼭本⾼之氏とJRA北村宏司騎手×JRA和⽥⻯⼆騎⼿(佐賀記念騎乗のためVTR出演)の特別対談が行われた。

総勢100名以上のファンが詰めかけ、立ち見も出るほどの盛況。対談は「競⾺界内外から考える引退競⾛⾺のセカンドキャリアについて」、「引退競⾛⾺⽀援の多様性とひとりひとりにできる⽀援について」など、主に競走馬のセカンドキャリアについてのトークが展開された。

引退競走馬の支援活動を行っている団体「TCC Japan」は滋賀県の栗東市を拠点とした「馬を救い、人を癒す」ことを目的とした引退競走馬のファンクラブ。全国の乗馬クラブや牧場などと提携して競走馬のセカンドキャリア支援に取り組んでいる。

山本代表は団体の活動について、「馬を支援するのはすごく大変なこと。長ければ30年生きる動物ですし、早ければ2、3歳で競走馬を引退します。家でも飼えないですし、1頭飼うのにも人間の労力、お金も必要になってくる。支援を皆様からいただいて集めると共に、お金を生み出す馬たちと働いていく活動も力を入れてやっています」と活動内容、その大変さについて語った。

YouTubeチャンネルで支援活動

動画出演した和田竜二騎手(C)Hiroki Homma

当初は来場予定だったが、佐賀競馬の騎乗が入り約15分ほどの動画出演となった和田竜二騎手は、引退競走馬に関する検討委員会の委員としても活動しており、YouTubeチャンネル「和田竜二の引退競走馬を追う!」を開設。牧場や乗馬クラブなどを訪ね、引退競走馬のセカンドキャリアを知ってもらう活動に力を入れている。

動画では引退競走馬支援について、「生まれてからずっと父が厩務員として栗東トレセンにいましたので、父の仕事でここまで大きくしてもらって、自分も競馬界で仕事させてもらって、家族も養っていますし、馬のお陰で生活して来ましたので、馬に感謝というか、還元していくという意味でも、一頭でも救っていくのが自分の使命でもあるのかなと思います」と、その思いを吐露した。

また、北村宏司騎手も引退競走馬支援について、「いろんな方法があると思います。情報を発信する、皆さんに知ってもらうというのは大きいと思いますし、ここに集まった方々は少なくとも馬に興味を持ってもらっていると思うのですが、乗馬クラブにお金を出して乗るというのも一つの方法ですし、顔を見に行って鼻を触ってあげる、にんじんをあげるとか、そういう人たちが凄く増えてくれば大きなエネルギーになります」と話した。

続けて、「例えば、障がい者の方のリハビリトレーニングに使うというのも、能動的に体を動かすというのに、馬の動きが凄く効果が上がるというのも立証されているみたいなので、そういう関わり方をしている馬も増えてくれば、人と馬も近くなると思います。もし家に帰って、周りに馬のことを知らないなという人がいたら、今日こんなこと聞いてきたよとか、JRAとか乗馬の方でもこんな活動してるんだよとか、馬ってこんな可能性あるんだねとか、少し周りの人に伝えてくれたら、馬に興味がある人が増えてくれるのが、大きな力になると思うので、そういうのが伝わってくれたらいいなと考えています」と自身の考えを伝えた。

クラウドファンディングもまもなくスタート

TCCJapan 山本高之代表(C)Hiroki Homma

また、TCC Japanでは新たに「馬と人と自然の共生」をコンセプトにした観光養老牧場「TCCメタセコイアの森(仮称)」を2024年7月にオープンする予定とのこと。それに伴いまもなくCAMPFIREでクラウドファンディングが実施される。

●ホースメッセTOKYOとは!?
さまざまな馬に関する「モノ」や「コト」を集めたイベントで、乗馬用品や馬雑貨などが買える出店ブース、さまざまな分野の馬のエキスパートによる講習会、馬のアートの展示などが開催されている馬にまつわるイベント。

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