米消費者のインフレ期待、1・5年先は横ばい=NY連銀1月調査

Michael S. Derby

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀が12日発表した1月の消費者調査によると、1年先と5年先のインフレ期待はそれぞれ3%、2.5%で横ばいとなった。

一方、3年先のインフレ期待は2.4%で、昨年12月の2.6%から低下し、2020年3月以来の低水準となった。

調査によると、消費者のインフレ期待は主要な分野で幅広く後退。1年先予想上昇率はガソリンが22年12月以来の低水準となったほか、食品は新型コロナウィルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった20年3月以来の低水準、家賃は20年12月以来の低水準となった。

住宅価格の上昇率は3%。過去4カ月も3%だった。

労働市場の状況に対する見方は「まちまち」。収入の1年先予想上昇率は2.8%と12月の2.5%を上回った。

また1月は信用へのアクセスが容易になり、個人的な財務状況に対する全体的な認識が改善した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1月末の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、長期的なインフレ期待が十分安定し、過去3年にわたるインフレ高騰前の水準に「非常に近い」と述べていた。

これとは別に、クリーランド地区連銀が第1・四半期に企業の最高経営責任者(CEO)に対して実施した消費者物価指数(CPI)上昇率予測調査によると、今後1年が3.4%と、2023年第4・四半期調査時の4.2%から大きく低下した。

同連銀は「企業経営者のインフレ期待は顧客に対する価格設定に影響を与える可能性があり、この価格がインフレの道筋に影響し得る」と指摘した。

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