「フランスにはない!」元パリSGユース、現スカウトはJキャンプの何に驚いた? “大統領クラス”MBAPPEの発音講座も

1月下旬、Jクラブの宮崎キャンプを取材した。その期間は宮崎駅からアクセス良好な民泊施設に宿泊。すると、サッカー関係の仕事をしている日本人とカナダ人のハーフ、エドワード氏と一緒になった。

パリ・サンジェルマンのユース出身で、レッドスターFCのリザーブチームでプレー経験のある同氏は、現役引退を機に代理人兼スカウトに転身。普段はパリ在住で、視察で日本のキャンプ地を訪れたという。

同じ屋根の下で過ごし、気付けばすっかり意気投合。多くの時間を共有するなか、「最近、日本の選手はすごい人気。ヨーロッパに連れていきたい」「フランスじゃこんなパブリックなキャンプはない」などなど、見出しになるキャッチーな物言いで、ホットな情報を教えてくれた。

情報収集に熱心なエドワード氏は、アジアカップもチェックしており、日本代表の印象を尋ねた際には、こんな答えが返ってきた。

「アジアで一番上手。僕たちカナダも負けた。カナダはだんだん上手になってるんだけどね。日本のサッカーは結構テクニカルで、選手がすごく真面目。(海外の)コーチは日本から来た選手の特長をすでに知っていて、信頼しているよね。時々、あまり知られていない国のすごく良い選手がいるけど、性格はあんまり分かんないからね」

個人的に好きな日本人選手は、「クボ(久保建英)は当たり前。スタッド・ドゥ・ランスに2人(伊東純也と中村敬斗)いるよね。イトウも好き。フランスでもどんどん人気になってきている」とのこと。やはり自身のお膝元でプレーしている選手に目が行くようだ。

【記事】横浜FCを通して分かった底知れぬキャンプの魅力。ブラジル人DFは神対応、中村俊輔コーチは最後に登場し…指揮官にも直撃

フランスと言えば、王者パリ・サンジェルマンに所属する同国代表の絶対エース、キリアン・エムバペの話題は欠かせない。やはり人気度は凄まじいものがあるようだ。

「一番有名な人。フランスのプレジデント(大統領)とほとんど同じ(笑)。25歳だけど、もう10年ぐらい試合に出ているよね。モナコで16歳から出始めて、だんだん大人になっている。

今はパリでキャプテンみたいな感じだから、なんとかしてパリでチャンピオンズリーグを勝ち取りたいと思う。1回それをしたら、レアル・マドリーに行くかもしれないね。彼はすごいプライドが高い選手。(リオネル・)メッシと(クリスティアーノ・)ロナウドのレベルになりたいはずだから、そのためにはチャンピオンズリーグで優勝しないと」

【PHOTO】編集部が厳選! ゲームを彩るJクラブ”美女チアリーダー”を一挙紹介!
せっかくなので、現地流の「MBAPPE」の発音も聞いてみた。日本では「エムバぺ」「ムバッペ」「ムバペ」「エンバぺ」「ンバペ」「ンバッペ」など実に様々な表記が飛び交うが、最も近いのはどれなのか。正解はあるのか。

「エンバペ。エン・バペと分けて言うケースがあるけど、それは違う。分けないで、1回で。ムバッペ? エは付けるよ」

分かったような、分からなかったような...。兎にも角にも、今回の宮崎キャンプ取材は、フランス色が強いものとなった。幸運にもまたどこかで顔を合わす機会があれば、花の都初の最新トレンドを仕入れたい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

© 日本スポーツ企画出版社