「今日は成功しなかったが…」久保建英、オサスナ戦で得点機を逃すも現地メディアの多くが最高評価!「最も明確なチャンスを創出した」

現地2月10日に行なわれたラ・リーガ第24節、レアル・ソシエダは本拠地レアレ・アレナでオサスナに0ー1で敗れた。これで公式戦4試合連続未勝利(3分け1敗)となり、連続無得点試合も4、連続無得点時間は384分間に伸びている。

49分にセットプレーから失った1点を返せずに終わった一戦で、久保建英はアジアカップ後のソシエダ復帰初戦となった4日前のマジョルカ戦(コパ・デル・レイ)に続いてフル出場。右サイドを主戦場としながら、様々なポジションからフィニッシュに絡んだりと、アクティブな姿勢を貫いたが、いくつか得点機を迎えながらも活かせないなど、悔いが残る90分間だったと言えるかもしれない。

試合中に相手選手と衝突し、試合後にマルティン・スビメンディとともに、足を引きずる姿が見られた。現地メディアから久保の状況を訊かれたイマノル・アルグアルシル監督は、「相手から強い打撃を受けたが、単なる打撲で少しでも早く復帰してほしい」と重傷ではないことが示唆した。
データ専門サイト『WhoScored.com』によると久保は、ボールタッチ66回、シュート6本(枠内2本、GKによるセーブ2本)、パス36本(成功32本)、キーパス5本、ドリブル5回(成功1回)、空中戦1回(勝利1回)、ボールロスト3回、ファウル2回というスタッツを記録。この背番号14について、クラブのSNSは試合中に幾度も「タケにチャンスが到来」と投稿していたのが印象的だ。

現地メディアの報道を見ると、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は3点満点の採点でチーム最高タイの「2」(他はイゴール・スベルディアとハビ・ガラン)を与え、多くのシュートで敵陣ゴールを脅かしたほか、CKでもキッカーとして2度相手に危険をもたらし、アルゼン・ザカリアンやアンドレ・シウバに「毒々しいクロス」を送ってチャンスを提供したと伝えている。

『AS』紙も同採点としたが、「ソシエダはオサスナを自陣に押し込み、両サイド、中央から、あるいはセットプレーで攻め立てた。得点機は久保、アンデル・バレネチェア、ブライス・メンデスに訪れたが、ゴールが奪えず。ボールを保持して攻撃を支配するラ・レアルだが、敵陣ゴール前では苦戦している」と、久保を含めたホームチームの攻撃を総括した。 個別評価の記事では、「前半はあまり目立たなかったが、それでももう少しでゴールを決めるところだった。ハーフタイム後、彼はチームのリーダーシップをとり、右サイドからのプレーでチームを活性化させようとした。そして、ペナルティーエリア内でのシュートで同点ゴールのチャンスを迎えたが、それを逃してしまった」と、良い面と悪い面の両方を挙げている。

続いてバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、ソシエダの後半のMVPに久保を選定(前半はザカリアン)。個別評価では彼を「リーダー」と呼び、「30分ほど沈黙した後、リーダーシップを発揮し、ボールを要求し、逆サイドでの攻撃も活用した。得点には至らなかったものの、彼が最も明確なチャンスを創り出した。相手GKに防がれた一撃、ザカリアンのクロスを受けての強シュート等……。ラ・レアルは彼を頼りに、反撃を試みた」と、そのプレーを振り返った。

日刊紙『El Pais』は、「久保は(マーカーの)ホアン・モヒカに試合開始から上手く監視されていたが、30分ほど経ったところで一度だけマークから逃れることができ、そこで試合を大きく変える可能性があったが、ザカリアンはクロスへの反応が遅れ、シュートのチャンスを逃してしまった」と、日本人選手のプレーに言及している。
バスクの地元メディアでは、日刊紙『noticias de Gipuzkoa』が、久保が複数の得点機を活かせなかったものの、それでも「日本人選手の復帰は当然のことながら、その日の大きなニュースのひとつだった」と綴り、10点満点の採点では最高タイの「6」を与えて、寸評には「大いなる希望。最も危険な存在。違いを生み出せる存在。今回は成功しなかったが、いつも存在感を示している」と賛辞が並んだ。

サッカー専門サイト『El Desmarque』は、「チームの攻撃の主役となったが、ソシエダの攻撃を制止しようとしたオサスナからの厳しいマークやファウルの標的となった」と、久保が厳しい環境に置かれたことを強調したが、採点はこちらもチーム最高タイとなる「7」が与えられている。

構成●THE DIGEST編集部

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