回転窓/おいしい甘さで一息

新型コロナウイルスの国内新規感染者が11週連続で増えている。空気が乾燥する冬はインフルエンザの流行時期でもあり、感染対策に気の抜けない日がしばらく続きそう▼コロナ禍と菓子の消費について興味深いデータがある。2020年は洋生菓子の生産高が前年の90%に減少。ところが家計調査(総世帯)では洋生菓子への支出が前年比100・02%と安定していた(『スイーツ ヒットの理由(わけ)』旭屋出版)▼外出自粛で土産やギフト商品の需要が減る中でも、住宅地に近い洋菓子店は堅調だったとも言われる。そうした要因を〈消費者が、無意識的にもコロナストレスから逃れるための「和み・癒やし」を洋菓子に求めていたと考えられるのでは〉とスイーツビジネス・コンサルタントの山本候充氏は同書で考察する▼体重管理などのために控えている方もおられるだろうが、砂糖は体に大切なエネルギー源となり、脳内の神経物質に働き掛けてリラックス効果が得られるという。食品関連団体の資料から引いた▼年度末に向けて忙しさが増すと、ストレスを感じることも多くなる。和菓子も含めておいしい甘さで一息つきたい。

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