堺市SMI/今春に都心線導入計画案策定、25年度にも本設停留所設計

堺市は、中心部の大小路線に自動走行機能を備えたバスタイプの次世代都市交通システム(ART)を使う堺・モビリティー・イノベーション(SMI)プロジェクトで、今春にもSMI都心ライン等導入計画案を策定する。同案に対する市民意見を聞く手続きを経て7月にも計画を策定。都心ラインは南海電気鉄道の高野線堺東駅から阪堺電気軌道大小路停留所を経て、南海本線堺駅までの区間に計画。主要3駅・停留所前のART本設停留所の設計は2025年度にも着手する見通し。
市が2日に開いたSMI都心ライン等推進協議会では、「(仮称)SMI都心ライン等導入計画骨子案」をまとめた。30年度を目標とする骨子案によると、SMIプロジェクトの導入により、魅力的でバリアフリーな都市空間形成を目指す。生活利便性や市中心部の回遊性を高める情報発信も車両や停車場で行う。電動のARTを使うことで脱炭素化にも役立てる。
車両は、部分的に運転を自動化する自動運転レベル2以上を実現し、将来的には高度な運転自動化を行うレベル4を目指す。
道路に設置したセンサー・信号や、他車両との通信で、事故を防ぎ安全でスムーズな運行を実現。またART車両とART本設停留所には統一的なデザインを採用し、大小路線の魅力を高める。本設停留所は現在、堺東駅~堺駅間のシャトルバスの停留所と同数の7カ所を整備する予定。上屋とベンチ、情報発信するデジタルサイネージを設ける。
大小路交差点の大小路停留所前に設ける本設停留所付近などには、道路空間に交流・休憩空間を整備する計画だ。
25年度以降に、本設停車場や交流・休憩空間の設計と本格整備を順次進めていく。
24年度予算案に都心ラインの停留所暫定整備費と実証実験費を計上した。

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