前田道路/画像認識AIで建設廃棄物の種別と重量を判別、24年度に試験導入

前田道路はアスファルトプラントに併設した中間処理施設に建設廃棄物をダンプ搬入する際、画像認識AIで種別と重量を推定する技術を開発した。作業員の目視に比べ素早く正確に種類を判別でき、重量測定もトラックスケールに比べ迅速に行えるようになる。2024年度に横浜合材工場に試験導入し、再資源化に伴う中間処理施設の業務効率化を目指す。
従来は種類判別と重量測定のためにダンプを都度停車させる必要があり、繁忙期は工場内で順番待ちの渋滞が発生していたという。ダンプの待機時間ロスを減らすため、種別と重量測定の自動化に向けた検討を重ねてきた。
開発した技術は停車しているトラックの上から撮影した積み荷の画像と建設廃棄物の受け入れデータ(種別、重量)を組み合わせ、AI推定アルゴリズムを構築。関東学院大学理工学部との共同研究で、22年から横浜合材工場でデータ収集を続けている。
建設廃棄物の種類判別ではアスファルト塊、コンクリート無筋塊、路盤廃材の3種類に限定した解析を実施し、正解率が8割4分まで向上。コンクリート塊有筋を追加した4種類では6割7分だった。
今後はデータの蓄積とアルゴリズムの改良を進め、横浜工場で受け入れる約20種類の建設廃棄物への対応を目指す。24年度に実用的な6種類の建設廃棄物に対応したシステムを試験導入予定だ。将来的には同社の全プラントへの採用を目指している。
AIが推定したデータを工場の受付へ送るシステムも開発中で「高速道路のETCのように、車両がスムーズに進む仕組みを構築したい」(同社担当者)としている。

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