中学2年生7人が提案 人手不足解決へIT使った循環型農業 沖縄・糸満市の三和中、九州アイデアロボットコンでパフォーマンス大賞

米須あすなろ会が製作したアクアポニックスの装置。上段が植物プランター、下段が水槽。水槽の水がプランターに循環する仕組みになっている(提供)

 沖縄県の糸満市立三和中学校(宮里直哉校長)の2年生7人でつくる「米須あすなろ会」が1月24日、同市役所を訪れ、昨年12月に福岡県で開かれた「第24回創造アイデアロボットコンテスト九州地区中学生大会」の動画部門でパフォーマンス大賞を受賞したことを當銘真栄市長に報告した。動画は循環型農業の普及を訴える内容。生徒は1月20日に東京都で開かれた全国大会を振り返り、「人手不足で悩む農業の改革を訴えることができた」と手応えを語った。(南部報道部・国吉聡志)

 三和中は第23回大会の動画部門でパフォーマンス大賞(優勝)に輝いており、2連覇を果たした。

 動画部門は、自作ロボットの性能を2分以内の動画でアピールするもの。7人は米須在住で、水耕栽培と養殖を掛け合わせた「アクアポニックス」の装置を製作する動画を発表した。

 アクアポニックスは、次世代の循環型農業として注目されている。水槽中の魚が出す排せつ物を微生物が分解し、植物を育てるエリアに水を送り、植物が水から有機物などを栄養として吸収する。浄化された水は再び水槽へ戻る仕組みだ。

 7人は昨年の夏休みに会を結成。情報通信技術(ICT)を導入したアクアポニックスが、高齢化や人手不足に悩む米須の農業改革につながると考えた。

 水槽には温度や水位を把握するためのセンサーを取り付け、スマホでチェックできるようにした。

 同会の久保田杏さん(14)は「農業は肉体労働という印象がある。アクアポニックスが普及すればイメージが変わるのでは」と提案した。

 當銘市長は「ITを使って地域課題を解決しようとするとは頼もしい。いろんなことに挑戦してほしい」と激励した。

創造アイデアロボットコンテスト九州地区中学生大会の動画部門でパフォーマンス大賞を受賞した「米須あすなろ会」メンバーで三和中2年の(前列左から)福元結衣さん、玉城斉希さん、久保田杏さん、(後列左から)福元ひかりさん、金城まあるさん、久保田千尋さん=1月24日、糸満市役所

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