携帯電話どこ…鍵は眼鏡は 「これで助かる」携帯電話入れポシェット 並里順子さんが120個製作 沖縄市泡瀬第三自治会の利用者らにプレゼント

並里順子さんが製作したポシェット

 沖縄市泡瀬第三自治会の並里順子さん(72)がこのほど、携帯電話入れのポシェット120個を製作し公民館を利用する高齢者や知人らにプレゼントした。受け取った人たちからは「携帯電話や家の鍵をどこに置いたのか忘れる今日この頃。とてもありがたい」と並里さんに感謝の声が寄せられている。(翁長良勝通信員)

 並里さんがポシェットを製作したきっかけは、昨年12月に公民館で開かれた同区老人クラブ「睦会」の忘年会だった。席上でのよもやま話に「携帯電話がどこにあるか。家の鍵や眼鏡も忘れることが多い」との話題が数多くあったことに、「携帯電話と鍵入れがあればトゥヌーマーヌ(どぎまぎ)しなくて助かるのでは」と思い付いた。

 ポシェットの素材は、地域のカーテン屋からの寄贈。季節に合わせて生地を入れ替えるため時季に合わないカーテンを譲り受けた。

 製作したポシェットはボタンを付け、携帯電話だけでなく、小銭やボールペン、眼鏡が収められるようになっている。さらに首から下げられるようにひもも付け、色もカラフルに仕上げた。多い日は1日に10個作ったという。

 並里さんは手先が器用で、地域で小間物作りの名人と評判だ。コロナ禍で薬局などで一時マスクが品薄になった際は、柔らかい布でガーゼ入りのマスクを作り公民館を利用する区民や関係者に無料で配ったこともある。

 仲眞紀子自治会長は「並里さんの丁寧な技術もさることながら気遣いがありがたい。並里さんは区のボランティア『声かけ隊』や公民館の花壇の草木や菜園の『水かけ隊』のメンバーで、自治会の大きな存在」と話し、感謝した。

 並里さんは「次はショッピング用のマイバッグかトートバッグを作ろうと思う。お楽しみに」と笑顔を見せた。

携帯電話入れのポシェットを製作した並里順子さん(右)と仲眞紀子自治会長=1月30日、沖縄市・泡瀬第三自治会

© 株式会社沖縄タイムス社