旧ワンダーグー店舗、市窓口センターに 茨城・かすみがうら市 東京の運営会社が建物寄贈 

行政機能移転を予定している旧ワンダーグー千代田店=かすみがうら市下稲吉

茨城県かすみがうら市下稲吉にあるソフト専門店「ワンダーグー」の旧店舗が同市に寄贈された。行政機能移転計画を進める同市は店舗を改修し、2025年度にも市の窓口機能を「市民窓口センター(仮称)」として移転する予定。

寄付は企業版ふるさと納税制度を使って昨年12月19日付で行われた。旧店舗は、スーパーやホームセンターが集積する千代田ショッピングモール(同市)で昨年12月30日まで営業していた「ワンダーグー千代田店」。平屋建て約1500平方メートル。

市は今後、旧店舗の改修に着手し、千代田庁舎(同市上土田)にある市民課や国保年金課、納税課など市民が直接訪れる機会が多い窓口機能を移設する。移転後はキッズスペースや中高生の学習スペースのほか、庁舎内外でのイベント開催も想定し、市中心部のにぎわいづくりに向け、周辺の商業施設と連携した相乗効果を狙う。

同店は04年に開店。同店などを展開するREXT(東京)によると、書籍やゲーム、CDなどの売り上げは下降しており、コロナ禍の巣ごもり需要で一時盛り返したものの、借地の契約満了に合わせ撤退を決めたという。

かすみがうら市は、行政サービスの配置を見直す「行政機能拡充プラン」の中で、老朽化した庁舎の再編に着手。市民窓口センターは当初、今年11月オープンを予定していたが、入札手続きの変更などで数カ月遅れる見込みとなった。

市は6日、REXTに感謝状を贈った。贈呈式で、同社の佐々木憲一・執行役員GOO事業部長は「地域社会への貢献を考えた。旧店舗を有効活用してもらえれば」と伝えた。宮嶋謙市長は「公共施設の老朽化が課題となる中、物件の寄贈は大変ありがたい。市民の利便性向上を図り、街のにぎわいづくりに励みたい」と話した。

宮嶋謙市長(中央)から感謝状を贈られた佐々木憲一執行役員(左)ら=かすみがうら市役所

© 株式会社茨城新聞社