独EV販売、30年に1500万台達成には転換点必要=経済相

Victoria Waldersee

[ベルリン 12日 ロイター] - ドイツのハーベック経済相は12日、電気自動車(EV)販売について、直線的な伸びでは2030年までに国内で1500万台を普及させる目標は達成できないとの見通しを示した。ただ条件が整えば需要の転換点を作り出せると付け加えた。メルセデス・ベンツのベルリン工場で開催のイベントでの発言。

ハーベック氏は記者団の質問に対し「登録台数の直線的な伸びでは2030年までに1500万台には至らない。これは事実だ。しかし技術開発や、より重要な社会的な受容は直線的に発展しない。転換点が訪れる場合もある」と述べ、具体的にはより長い航続距離、価格の低下、充電インフラ整備の加速などの転換点が近くあり得る状況を挙げた。

ドイツ政府は連立政権合意で、2030年に少なくとも完全EV乗用車1500万台の普及を目指すと表明したが、その後ヴィッシング運輸相はEVとハイブリッド車の両方を含めるよう条件を緩和した。

欧州におけるEV需要は鈍化しており、アナリストらはその理由を消費者がEVの安全性、航続距離、価格要件を満たしているかどうかについて確信を持てないことだと分析している。

ドイツ連邦自動車庁(KBA)の最新データによると、23年10月時点の電気モーター搭載車は220万台で、このうち完全EVは130万台だった。

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