「これだけは日本から持参して」…海外旅行の〈マストアイテム〉を人気スタイリストが伝授

(※写真はイメージです/PIXTA)

「もしかしたら必要になるかも……」と、何かと荷物が増えがちな旅行。とはいえ、重い荷物ではせっかくの旅行も楽しめず、体も疲れてしまい、いいことなしです。今回は、国内外さまざまな場所への旅行歴が豊富なファッションスタイリストの地曳 いく子氏の著書『大人の旅はどこへでも行ける 50代からの大人ひとり旅』より、海外旅行を少ない荷物で楽しむためのコツを紹介します。

下着は「現地で洗濯」が基本!注意点は?

2〜3泊の国内や近場アジアの旅行ではそんなに問題になりませんが、長期旅行で気になるのが現地での洗濯。

例えばイギリス縦断10日間の旅ともなれば滞在中、下着やタイツくらいは洗濯するようにしないと荷物がどんどん大きくなりますよね。

インディーズのバンドの追っかけをしていた頃、実際にイギリスの南のブライトンからロンドン、バーミンガム、ヨーク、北のスコットランドまで、冬のイギリスを南から北まで縦断するひとり旅をしたことがあります。そんな時でも荷物は機内に持ち込める大きさのバックパックひとつでした。

その時選んだ下着は、着ていったブラとショーツ、半袖のヒートテックの他に、レースのブラ2枚、レースまたはメッシュのショーツ4枚と長袖のヒートテック1枚だけでした。

レースもヒートテックも、洗濯しても乾きやすい素材です。ホテルにチェックインするとすぐにシャワーを浴びて、その際にボディソープやシャンプーで汚れた下着を洗濯し、軽く絞ったら、体を拭いたバスタオルでクルクル巻いて上から押して脱水し、部屋に干します。

下着やタイツ、ヒートテックぐらいでしたら、洗濯洗剤ではなく、ホテル備え付けのボディソープやシャンプーで十分。少なめの量を使い、よくすすぐのがポイントです。ライブや食事に出かける前に洗って部屋に干しておけば、大概翌日には乾いて、洗濯したてのフレッシュな下着を着られるというわけです。

ハワイのホテルのコインランドリーを利用するときなどは、洗濯洗剤を日本から持って行かなくても、ランドリーやフロントで現地調達することができます。コインランドリーに設置された洗剤の自動販売機がクォーターコイン(25セントコイン)しか使えない場合はフロントで両替してもらえます。

ホテルで洗濯物を干すときの「お役立ちアイテム」

洗濯物を干すには、無印良品や百均などで売っている軽い折り畳み式のハンガーを持っていくと便利です。旅専用のものは買わない主義の私ですが、これだけは持っていきます。ホテルに備え付けの木製ハンガーより速く乾きます。

もし翌朝までに乾いていなくてもご安心を。部屋に備え付けのヘアドライヤーで乾かしてしまいます。ヘアドライヤーは髪を乾かすだけのものではありません。あなたのレースの下着もドライしてくれます(笑)。特に布地がレイヤーしているクラッチ(股の部分)が乾いていない時にその力を発揮してくれます。

ポイントは下着の素材。ユニクロのエアリズムやレースのショーツ、BVDなどの通販で手に入るメッシュやレース素材のショーツやブラを選びましょう。

シャンプーはホテルの「備え付け」でいい理由

コスメ類も減らしてみれば、案外少ない荷物で旅はできます。

私は、シャンプーやボディソープなどはホテルの備え付けのアメニティで済ませるようにしています。

ただ、いつも使っているヘアクリームにもなるトリートメントを、携帯用の容器に詰め替えて持っていきます。シャンプー後にとにかくこれさえつけておけばなんとかなるからです。

皆さんも普段使いのトリートメントやヘアオイルを小分けにして旅に持っていってはいかがでしょうか?

日本からいいシャンプーを持っていっても、海外の水道水は硬水だから、いつも愛用している素敵なシャンプーもうまく泡立たないかもしれませんしね(笑)。

日焼け止めだけは日本から持参を

基礎化粧品は、1〜2泊の短い旅行には無印良品で売っている、小さなボトルか一回分パッケージのものを持参。長い旅行の時は普段使いのものを小分けして持っていきます。それもいろいろと持っていかず、化粧水とクリームくらいです。

ただし、日焼け止めだけ小ぶりのフルサイズをそのまま持っていきます。旅で訪れる場所やシーズンによっても違うかもしれませんが、以前より日差しが強く感じるので、SPF50の日本製日焼け止めを買って必ず持参。

以前は旅先で買っていたのですが、ボトルのサイズが大きいものが多いので帰りに荷物になりますし、今は円が弱く海外で買うとかなり割高に感じます。それになんといっても近頃の日本コスメの優秀さです。Amazonなどで探すと、機内持ち込みOKの40mlくらいの小さいサイズも見つけられます。

以前は、日焼けが大好きな(バブル時代の古い人間か?)私でしたが、日に焼けると肌が炎症を起こしてシミの元になるばかりではなく、体力も消耗することを実感するお年頃になってからは、日焼け止めの重要性に気がつきました。ウォータープルーフなのに石鹸で落ちる優れものもありますのでぜひ。

ハワイや沖縄など日差しが強いところに旅行する時は機内持ち込みの手荷物に入れて、現地に着く前、飛行機の着陸準備のアナウンスがかかる頃に日焼け止めを塗るように心がけています。忘れがちなのが首の後ろとサンダルを履いた時に露出する足の甲と指! お忘れなくね。

入れ忘れたときは…

もし洗顔料を荷物に入れ忘れても、1週間くらいの旅行ならホテルのアメニティの石鹸やボディソープをよく泡だてて洗い、帰宅してからのお手入れを入念にして、パックなどすればリカバリーできます。

ポイントはヘアーと同じように普段使いの中で一番リッチなクリームかオイルを持っていくことです。それで大概なんとかなります。「落としたら補え! 油」です。

大体、旅行中はホテルの部屋に帰ってくるとクタクタに疲れてお肌のお手入れを忘れがちです。日常と違う体験をしに行くのですから、肌のお手入れも普段と同じことをする必要はないように思われます。簡単で効果の高いものを1、2点に絞って持っていきましょう。

地曳 いく子
スタイリスト

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