米超党派議員ら、政府に中国・無錫薬明康徳の制裁求める

Michael Martina

[ワシントン 12日 ロイター] - 米超党派議員グループは12日、中国の生物化学企業、無錫薬明康徳とその子会社、薬明生物技術について、米政府の制裁対象とするための調査を行うよう求める書簡を関係省庁に送った。

書簡には下院・中国特別委員会の共和党委員長や民主党委員など4人が署名し、イエレン財務長官、オースティン国防長官、レモンド商務長官らに送られた。両社は中国共産党および中国人民解放軍と結び付いており、米国の安全保障を脅かすと指摘している。

議会はこのほど、米連邦政府から資金提供を受ける医療機関について、中国の華大基因(BGI)グループや無錫薬明康徳などへの米国人の遺伝子情報の提供を制限する法案を提出している。

書簡を送った議員らは中国政府の書類などを引き合いに、無錫薬明康徳は明確に人民解放軍と結び付いているほか、新疆ウイグル自治区でのジェノサイド(大量虐殺)を支持していると指摘した。同社が人民解放軍の数々の基金から投資を受け入れていることなどにも触れた。

書簡は「無錫薬明康徳と薬明生物は中国共産党および人民解放軍との結び付きをぼかし、その結果として有力な米バイオ企業と契約することで米国のサプライチェーン(供給網)に急速に入り込んでいる」としている。

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