宇都宮市新4号国道のオートバイ追突事故からもうすぐ1年… 遺族らが事故現場で献花

 2023年2月、宇都宮市の新4号国道でオートバイの男性が時速160キロを超えるとみられる乗用車に追突され亡くなった事故から14日で1年が経ちます。
 
 今から25年前、東名高速道路で飲酒運転のトラックに追突され幼い娘2人を亡くした夫婦が、12日に宇都宮市を訪れ、男性の遺族と共に花をたむけました。

 事故現場を訪れたのは、東京都武蔵野市の井上保孝さんと郁美さんで、約1年前この場所で夫の佐々木一匡さんを亡くした多恵子さんとともに花を手向けました。

 当時63歳だった一匡さんは、去年(2023年)2月14日の夜、宇都宮市下栗町の新4号国道で21歳の被告の男が運転していた乗用車に追突されました。

 現在、被告の「過失運転致死の罪」を問う裁判が行われていますが、妻の多恵子さんは、乗用車が法定速度の60キロを遥かに超える160キロ以上で走行したと見られるなど、制御が難しいスピードだったとして、より刑の重い「危険運転致死罪」の適用を求めて、宇都宮地方検察庁に要望書や署名を提出しています。

 一方の井上さん夫婦は1999年、東名高速道路で飲酒運転が常習化していたトラックドライバーに乗用車を追突され、3歳と1歳だった娘2人の命を奪われました。当時、飲酒運転による事故は「業務上過失致死傷罪」にあたり上限は懲役5年でしたが、井上さん夫婦は命の尊さを反映していないと署名活動をスタートさせ、事故から2年後の2001年「危険運転致死傷罪」が新たに設けられることになりました。

 井上さん夫婦も、多恵子さんが共同代表を務める「高速暴走・危険運転被害者の会」のメンバーになっていて、一匡さんの事故について「危険運転致死傷罪がつくられた経緯や趣旨を踏まえても、故意にスピードを出すような加害者に対して、『うっかり』という過失罪が適用されるのが信じられない」と訴因変更を強く求めました。

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