伝統守り4年ぶりの「門前春駒」、女装した男性が唄と踊りを披露 群馬・川場村

 地域の男性が女装し、旅芸人一家に扮(ふん)する群馬県川場村の伝統行事「門前春駒」が11日、門前地区で4年ぶりに行われた。歌担当の母親役と踊り子の娘役2人、父親役の青年4人組が2班に分かれて地区の約120戸を巡り、繭の豊作を願う春駒唄と踊りを披露した。

 養蚕農家は村内にいなくなったが、福を招き、家内安全を願う行事として、地元の青年が門前春駒保存会をつくり伝承している。未明から各家を回った一行は吉祥寺に立ち寄り、母親役が桑の枝でうちわ太鼓をたたきながら歌い、娘役が鈴を響かせて踊った。

 保存会の戸丸聖也実行委員長(27)は「春駒が久しぶりにできて住民も歓迎してくれてよかった。伝統をこれからも引き継いでいきたい」と話した。

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