伊東純也、3月日本代表入りで事情聴取?弁護士解説「不起訴の可能性も…」

伊東純也 写真:Getty Images

1月31日に『週刊新潮』のニュースサイト『デイリー新潮』で性加害疑惑が報じられたFW伊東純也(スタッド・ランス)は、2月11日開催のリーグアン(フランス1部)第21節ロリアン戦でフル出場。今年3月開催の北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦2試合における日本代表招集の可能性を巡り議論が白熱する中、東京弁護士会所属の福永活也弁護士が捜査の行方を予想するとともに、不起訴処分となる可能性に言及した。

デイリー新潮の報道によると、伊東は昨年6月21日に大阪府内のホテルで女性に酒を飲ませ、同意なく性的行為に及んだとのこと。女性側が刑事告訴すると、選手側も今月1日に虚偽告訴容疑の告訴状を大阪府警に提出している。

また伊東は1月末の時点で、日本代表の一員としてアジアカップに臨んでいたが、日本サッカー協会(JFA)性加害疑惑報道を受けて、2日午後に同選手の代表離脱を公式発表。JFAの田嶋幸三会長は会見で「総合的な判断」などと、離脱の理由について具体的な言及を避けたが、ネット上では「キリングループをはじめ日本代表スポンサーに配慮したのでは」という見方が広まっている。

福永氏は11日に自身のYouTubeチャンネルを更新。伊東が事情聴取を受ける可能性について「基本的に海外にいる人に対しては、行政権や司法権とか及ばないので、国内に戻ってきたタイミングで聴取するという方が(可能性としてある)。あるいは聴取せずに女性の発言だけで、起訴して有罪立証するのが難しいと判断して打ち切りにするのか、その辺は今後の捜査状況次第かと思います」とコメント。この見解を踏まえると、同選手が今年3月開催の北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦で日本代表に招集された場合、事情聴取を受ける可能性があると考えられる。

ただ一方で、福永氏は「伊東選手がこのまま起訴されて有罪になるのかと言えば、必ずしもそうではない」と主張。その理由として「女性側の被害の証言があくまでも証言ベースであって、客観的な証拠が今のところ無さそう。となると、性加害があった可能性はあるけど、無罪推定の中で果たして起訴して、その起訴を維持できるだけの前後関係があるのか、女性の証言が具体的で一貫性があって、それで立証に耐えられるのかとか、その辺りを考慮した上で起訴するのかどうかを決めるので、不起訴になる可能性も全然あると思いますね。というか確率的には不起訴になる可能性が高いと思いますね」

「性犯罪って密室で起きやすいので、どうしても後から立証が難しいんですけど、それは男性側からして『性的同意があったことの立証なんかできない』と言うのと同じように、性的同意がなかったことの立証も検察官側からするとかなり難しい。となると、性的同意があったともなかったとも、どっちともはっきりとした確証が取れないと。となると無罪推定ということで原則的には無罪だから、どちらなのか分からなければ起訴もしないし、処罰されることもないという結論になるというのは十分にあり得ますね」と、不起訴処分となる可能性に言及した。

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