長崎県内「建国記念の日」で行事 国旗を手に700人行進 憲法改正考える学習会も

式典で万歳三唱する参加者=佐世保市、亀山八幡宮

 「建国記念の日」の11日、長崎県内各地で国の誕生を祝う行事が開かれた。一方、憲法改正が平和主義に及ぼす影響を考える学習会もあった。
 長崎市では「長崎日の丸会」が奉祝大会を開き、約300人が出席。冒頭、1月1日の能登半島地震と同月2日の羽田空港での航空機事故の犠牲者に黙とうした。
 反田邦彦会長は「日本の誕生をお祝いするこの日は、天皇と国民との連帯を強く確信する日でもある」とあいさつした。安定的な皇位継承のほか、大規模災害の発生や他国からの武力行使に対処できる法整備を要望。政府主催の奉祝行事の実現を訴える大会宣言を来場者の拍手で採択した。
 佐世保市では「市建国記念の日奉祝会」(金子卓也会長)が主催する行事があった。自衛隊や米海軍、企業関係者ら約700人が市中心部から式典会場の亀山八幡宮まで国旗を手に行進。式典は国歌斉唱や来賓祝辞の後、万歳三唱で締めくくった。
 一方、長崎地区労会館(長崎市金屋町)では、県教組や県平和運動センターなど9団体でつくる県靖国法案阻止共闘会議(ヤスクニ共闘)が学習会を開催。名古屋学院大の飯島滋明教授(憲法学)が「今、危機にある私たちの憲法」と題して講演した。
 飯島氏は憲法9条に自衛隊を明記する改正案に触れ「徴兵制の根拠となり、民間人の戦地派遣も可能になる」と主張。国会議員の任期延長などが含まれる緊急事態条項新設の必要性にも疑問を呈した。

憲法改正の影響について説明する飯島氏=長崎市、長崎地区労会館

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