小芝風花「もう無理だと…」タップダンス練習の苦労を回想『レディ加賀』公開記念舞台挨拶

小芝風花主演で、歴史ある温泉街を盛り上げるためにタップダンスチームを結成した旅館の新米女将たちが、挫折やトラブルを乗り越え、仲間と奮闘しながら前進していく姿を描くエンターテインメント『レディ加賀』が、2月9日より公開中。公開を記念して、2月10日に新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が行われ、小芝風花、森崎ウィン、眉村ちあき、雑賀俊朗監督が登壇した。

前日に無事全国公開を迎え、小芝は「撮影は約1年半前でしたが1週間前に石川で先行公開して、やっと全国の皆さまにお届けできて嬉しいです」と安堵の面持ち。これからたくさん届くであろう感想に「ドキドキです。嬉しいコメントだったらいいな!」とキュートな笑顔を見せた。

劇中で披露されるタップダンスが本作の見どころの1つ。初めてタップダンスに触れた小芝は「もう本当に難しくて。9カ月くらい練習をしたのですが、レッスンに通えないときもあったので、家にべニア板を敷いて毎日練習していました」と、苦労を語りながらも、「最後にソロで踊るシーンがあるんですが、その振りを初めてタップの先生から教えられたときは本当に泣きそうになって。もう無理だと…。でもなんとか頑張りましたので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!」と胸を張り、持ち前のガッツと努力で克服した様子。

女将修行にも苦労があったようで、小芝は「実は、人前で大きな声を出すシーンがイヤだったんです。由香は何か困難が会った時に壁を超えていくタイプではなく、楽なほうに逃げちゃうタイプ。だから余計にイヤだろうなと思いました。私も今でこそ人前に立ってお話させていただいていますが、小学生の頃は凄く苦手でした」と告白。それを克服していく由香だが、監督も「実際に女将さんに取材をすると、やっぱり人間力を鍛えるのが一番だと言うんです。おもてなし=人間力。それをこの作品にも入れたいと思いました」と語った。

ちょっとクセのある天才観光プランナーを演じた森崎は、「雑賀監督とは3度目の作品になりますが、『ウィンちゃん、今度は暴れてほしいんだ』と言われて(笑)。監督と相談しながら役作りをしていきました。天才観光プランナーって、ちょっと違う目線で物事を見ていると思うので、クセのあるキャラクターも表現の仕方が独特だと捉えて楽しんでいただけたらと思います(笑)」と役へのアプローチを語った。

監督が「衣装もイタリアチックにして、小芝さんに近づくときはイタリア人みたいに…とお願いしました。最初はびっくりするかもしれませんが、だんだん慣れていきますから(笑)」と続けると、「思う存分やらせてもらったので、楽しかったです!」と満面の笑みを浮かべる森崎だった。そんな森崎との共演に、小芝は「凄く楽しそうでした。いろんなアイディアを出してくださるので」と笑い、「頼むから笑わせないで~と思っていました。笑いをこらえるのに必死でした」と、ここでも森崎を見て笑いが止まらなかった。

森崎は「僕は常々、瞬間に生まれるものを大事にしたいと思っていて、新しいことをあえてブッこもうと考えるんです。小芝さんにもいっぱい投げたのですが、全部しっかり受け取って投げ返してくれた。その集中力の高さに凄い人だなと思いました」と、小芝を絶賛。監督も「いい漫才コンビだった(笑)」と満足気。現場の雰囲気を森崎は「主演の小芝さんにみんながついていこうとしていました。(日を追うごとに)どんどん密になっていってましたね」と回顧し、チーム力の強さを実感していた。

主題歌「バケモン」を担当した眉村は、「映画を観たあとに作った曲ですが、小芝さんのタップがとても印象的でした。(集中している)目つきが、“これは人ではないな”と感じて。そこから着想を得て、人が殻を破って成長する、アドレナリンが出て進化していく姿という意味で『バケモン』というタイトルをつけました」と、タイトル名を付けた経緯を吐露。さらに「この映画を観て、明日から頑張ってみようかなと思えて、『バケモン』という曲を聞いたときにちょっとアドレナリンが出て、いま被っている殻を破れる曲になっていると思います。この曲を作ることによって、私も殻を破れたと思います」と、自信をのぞかせた。

最後に、監督は「この映画は石川県で撮影しまして、石川県の皆さんに大変お世話になりました。この作品の配給収入の一部を恩返しとして石川県に義援金としてお送りすることが決まっています。全国の方にこの映画で元気をお届けしたいです」と力を込め、小芝が「この作品は石川でオールロケをしましたが、本当に素敵なところが多いんです。作品にも石川の魅力がたくさん詰まっています。地元の方もエキストラとして参加してくださり、炎天下の大変な撮影もずっと笑顔で協力してくださいました。地元の皆さんのお人柄にも救われたので、この作品を通して少しでも恩返しができればと思っています。この映画を観たら、ぜひ周りの方にもお勧めしていただけたら嬉しいです」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。

『レディ加賀』
2024年2月2日(金) 石川県先行公開
2024年2月9日(金) 新宿ピカデリー他全国ロードショー
監督:雑賀俊朗
出演:小芝風花 松田るか 青木瞭 中村静香 八木アリサ 奈月セナ 小野麻里奈 佐藤藍子 篠井英介 森崎ウィン 檀れい
配給:アークエンタテインメント

【ストーリー】 樋口由香(小芝風花)は、加賀温泉にある老舗旅館「ひぐち」の一人娘。小学校の時に見たタップダンスに魅了され、上京してタップダンサーを目指したものの現実はうまくはいかず、夢を諦めて実家に戻って女将修行を始めることに。何をやっても不器用な由香は女将修行に苦戦するものの、持ち前の明るさとガッツで奮闘する。そんななか、加賀温泉を盛り上げるためのプロジェクトが発足し、由香は新米女将たちを集めてタップダンスのイベントを開催することになるが…。

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