低予算ポルノ撮影班がヒドい目に遭う絶叫映画『X エックス』や北欧発“母娘”抑圧物語『ハッチング ―孵化―』ほかCS「恐怖のスリラーナイト」で放送

『ハッチング ―孵化―』© 2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast『X エックス』© 2022 Over The Hill Pictures LLC All Rights Reserved.『ティル・デス』© 2021 Til Productions, Inc. All Rights Reserved

スリラー/ホラーばっかり6夜連続放送!

『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』で恐怖中毒者を大量発生させた鬼才アリ・アスター監督の最新作『ボーはおそれている』が、ついに2024年2月16日(金)より劇場公開。主演に名優ホアキン・フェニックスを迎え、コメディなのかスリラーなのか脳がバグりそうになる展開で、もはや“怖すぎると笑うしかない”境地に至っている。

そんな『ボーはおそれている』と同じくA24製作の『X エックス』ほか、バラエティ豊かな怖すぎ映画ばかりを「特集:恐怖のスリラーナイト」と題して、CS映画専門チャンネル ムービープラスで6夜連続で放送される。

北欧発“幸せ家族のドロドロ”スリラーや、おバカかつ社会派な“キラー◯◯もの”の急先鋒、タイ×韓国合作の“祈祷”ホラーなど、怖すぎて逆に笑顔が崩せなくなりそうな問題作の放送をお見逃しなく。

秒で三部作化が決定したA24製作のスリラー『X エックス』

A24製作、新鋭タイ・ウェスト監督、新世代スリラー女王ミア・ゴス主演の『X エックス』(2022年)は、2023年公開の『PEARL パール』、2024年公開予定の『MaXXXine(原題)』からなる三部作の記念すべき1作目。

1979年、テキサス。野心的な女優マキシーンとマネージャーで敏腕プロデューサーのウェインら3組のカップルが、映画撮影のために田舎の農場へやってくる。そこでハワードという老人に迎えられた6人は宿泊場所の納屋に案内されるが、そんな彼らを母屋から老婆パールが見つめていた……。

“史上最高齢の殺人夫婦”も話題を呼んだ本作だが、漫☆画◯郎先生が描きそうな爺婆がフンガーするわけではなく、根っこに充満している哀しみや“加齢”によるやるせなさも大きな見どころだ。なおNetflixのアダムス・ファミリー映画『ウェンズデー』(2022年)でスターとなったジェナ・オルテガのガチ絶叫演技にも注目。

不思議なジーパンがブラックなアパレル企業を成敗!『キラー・ジーンズ』

とあるアパレルメーカーが開発した新商品。それは、誰にでもフィットする魔法のようなジーンズ「スーパーシェイパーズ」。新アイテムの発売に向けて、店舗では従業員たちが慌ただしく準備を進めていた。そんな中、新作ジーンズが勝手に動き出して……。

タイトル通り、誰にでもフィットする魔法のようなジーンズが人間たちに襲い掛かりはじめる、という分りやすい?内容のホラーコメディが『キラー・ジーンズ』(2020年)。往年の名作『アタック・オブ・ザ・キラートマト』(1978年)など、いわゆる<キラー◯◯>の系譜に連なる面白ホラーの急先鋒だ。

とはいえスプラッタ描写は容赦なく痛そうだし、かつファストファッションに毒された現代社会へのチクリとした風刺も盛り込まれた、実に気の利いた秀作でもある。

殺人鬼ヴィンス・ヴォーンと入れ替わりたい女子高生はいるか?『ザ・スイッチ』

殺伐とした高校生活を送る17歳のミリー。そんなある日、太古の短剣の力によって、連続殺人鬼ブッチャーと彼女の身体が入れ替わってしまった。24時間以内に体を取り戻さなければ、元の姿に戻れない。一方、ミリーの姿のブッチャーは、大量虐殺への欲求を学園祭で満たそうと企んでいた。

絶賛公開中の大ヒットゲーム映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』を手掛ける<ブラムハウス・プロダクションズ>製作のドタバタ・スリラーが2020年の『ザ・スイッチ』。「女子高生と連続殺人鬼の心が入れ替わってしまった!」という設定自体はベタだが、キャスリン・ニュートン演じるブロンドギャルJKと入れ替わるのが、デカくて仏頂面で天パ(これは関係ない)の殺人鬼=ヴィンス・ヴォーンというのがとにかく不憫。

踏んだり蹴ったりミーガン・フォックスの頑張りに一票!『ティル・デス』

仮面夫婦のエマとマークが迎えた結婚記念日。マークは人里離れた湖畔の家で二人きりのバカンスを用意し、「結婚生活をやり直したい」という。そんな夫と夢心地で体を重ねるエマ。だが翌朝、目覚めると2人は手錠で繋がれ、マークは意味深な言葉を残して銃で自分の頭を撃ち抜いてしまう。

目が覚めたら手錠で繋がった夫がいきなり自殺!というウザすぎるサプライズから、ミーガンの愚痴と創意工夫が展開する2021年製作の閉所スリラー。有名俳優はミーガンだけだし舞台はほぼ100パーセント屋内なので低予算丸出しだが、序盤から想像以上の面白さに肩透かしを食うはず。とにかく寒そう(気温的な意味で)なので、たくさん着込んで暖かい飲み物を用意して観たい1本。

母から抑圧が作り出した“卵”は何を産んだ?『ハッチング ―孵化―』

北欧フィンランド。12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな家族動画を世界へ発信することに夢中な母親のために、すべてを我慢し自分を抑制してきた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を発見。家族に内緒でその卵を育て、孵化させる。しかし卵から生まれた“それ”は、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく。

サンダンス映画祭で話題を呼んだ北欧発イノセント・ホラー。少女が孵化させた“雛鳥”が怖すぎてポカーンとしてしまうが、思わず頭を抱えて叫びたくなる胸クソなラストまで目が離せない。ちなみに「HATCHING」は「孵化」という意味なのでサブタイトルではなく和訳である。

タイ版『コクソン』な超常“祈祷”ホラー『女神の継承』

タイ東北部の小さな村で暮らす若く美しい女性ミンは、原因不明の体調不良で、人格が変わったように凶暴な言動を繰り返していた。途方に暮れた彼女の母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。ニムはミンを救うために祈祷するが、彼女には想像をはるかに超える強大な存在が取り憑いていた……。

怖すぎ監督映画『哭声/コクソン』(2016年)で知られる韓国の鬼才ナ・ホンジンが原案・プロデュースを務めたタイ×韓国合作のホラー映画が『女神の継承』(2021年)。祈祷師一族にまつわる因果と、その後継者を襲う不可解な現象を描く本作はファウンド・フッテージということになっていて、実録・東南アジア版『エクソシスト』として観ると怖さが倍増するかも。

『X エックス』『キラー・ジーンズ』『ザ・スイッチ』『ティル・デス』『ハッチング ―孵化―』『女神の継承』はCS映画専門チャンネル「特集:恐怖のスリラーナイト」で2024年2月放送

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