資産運用をしている場合、金利が上がるとどんな影響がある?

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、金利(長期金利)の上昇が資産運用に及ぼす影響についてです。

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。 今回は、資産運用をしている場合、金利(長期金利)が上がると、どんな影響があるか知りたいという方からの質問です。

Q. 金利の上昇は、資産運用にどんな影響がありますか?

「今後長期金利が上がると、株価や国債などにどのような影響が考えられますか」(STさん)

A. 「株価ついては、大きな心配をする必要はありません」(深野さん)

日銀(日本銀行)の金融緩和政策の状況によっては、長期金利が1%を超えてくるのではないかといわれてます。金利の上昇は、株価にとってネガティブ要因ですから、一時的に株価が下がることがあるかもしれません。 しかし、時間軸を20年、30年と長くしてみてみると、長期金利が1%というのは決して高過ぎる数値ではありません。仮に長期金利が1.1~1.2%になったとしても、株価に大きな影響はないでしょう。 また、基本的に金利が上がると、債券(国債など)の価格は下がります。しかし、個人向け国債変動10年であれば、半年ごとにその時の長期金利に応じて、国債の金利(利回り)も見直しされるため、資産の目減り幅を軽減することができます。 個人向け国債変動10年の金利は、長期金利に0.66を掛けて計算されます。例えば、長期金利が1%であれば変動10年の金利は0.66%、長期金利が1.1%になれば変動10年の金利は0.7%超えという具合に、長期金利の上昇に連動して国債の金利(利回り)も上がります。つまり、受け取れる利息が増えるわけです。 こういった点を踏まえ、もし今後、安全性が高い金融商品ということで債券の購入を検討される場合は、個人向け国債の変動10年を選ぶのも一策ではないでしょうか。 教えてくれたのは……深野 康彦さん マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。 (文:All About 編集部)

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