東京03・飯塚悟志が「高速を降りたら」でドラマ初主演!「コントの延長みたいな感じで楽しくやらせてもらえた」

東京03飯塚悟志が、NHK総合・BSP4Kで放送の特集ドラマ「高速を降りたら」(午後10:00)でドラマ初主演を務めることが発表された。

「高速を降りたら」は、“男らしさ”をこじらせた3人が深夜の車中でひたすらしゃべる、ばかで真面目な“ミッドナイト・ロードムービー”。

地方の病院で、父のベッドを囲んでいる3姉妹の娘たち。深夜に突然、父の容体が急変し、3姉妹はそれぞれの夫を呼び出すことになった。交通手段がない深夜0時ということで、1台の車に、長女の夫、次女の夫、三女の夫の男3人が乗り込み、高速道路で義父の病院を目指す。“義理の兄弟”という絶妙な距離感の中で、自分の“男らしさ”でマウントを取り合うオギノ(飯塚)、トミタ(松澤匠)、コマキ(山脇辰哉)。しかし、彼らにはそれぞれ知られたくない秘密があった。

「“男らしさ”に意味なんかない」と思いながらも、考えずにいられない。30歳の脚本家・武田雄樹氏が、日々感じる“らしさ”への呪縛と格闘した意欲作となる「高速を降りたら」では、軽快だけど身につまされる会話劇が展開される。出演は、飯塚、松澤、山脇のほか、山田真歩石橋菜津美清水くるみ、奥村知史、松本亮、井上みなみ、西本銀二郎、中野英樹、一條恭輔、山口河童、岩本樹起、堀靖明、渡辺哲也。

飯塚は「最初に台本を読ませてもらった時にびっくりしたぐらい、ずっと車内で3人きりで延々と会話するシーンが多くて、しかもその内容もすごく軽快で面白かったので、ドラマというより普段のコントの延長みたいな感じで楽しくやらせてもらえました。高速道路を車で走るシーンは演者は実際の車の中だけど、背景は全部LEDという最新の撮影方法で、今こんな時代なんだ!?と、興奮しきりでした」と撮影を振り返り、「僕もまだ出来上がりは見ていないのですが、きっと面白いドラマに仕上がってると思いますので、皆さまぜひご覧ください!」とアピールしている。

脚本を手掛けた武田氏は「例えば大人数の飲み会で、自分の知らない話題で場が盛り上がっている時。僕はよく知ったかぶりをしてしまうことがあります。全然分かってないのに『はいはいはい』と適当な相槌を打ったり、誰かが笑うタイミングで一緒に笑ったり、自分にバトンが回ってこないようにそっと息を潜めたり。ただ一言『あんま詳しくなくて…』と言えればいいのに、それができない。弱さをさらけ出せない男であり、大人になった今も男らしさの規範から降りられずにいる男の1人です。だからこそ今一度“男らしさ”について考えたいと生まれたのが本作です。高速を走る1台の車、その車内で、己を男らしく見せたい男たちが繰り広げる不毛なやりとりを楽しんでいただけたら幸いです」と自身の心境を伝えつつ、作品のテーマに触れている。

演出を務めた佐藤玲衣ディレクターは「『男の子なのにこんな抜け殻も触れないのか』小学生の頃、帰省していた祖父の家で私の双子の兄が言われていた言葉です。祖父の手の中には、大きなセミの抜け殻。兄は黙っていました。『情けない』と笑う祖父。なぜかこの瞬間のことが、頭にこびりついています。よく『お兄ちゃんも背が低いの?』と聞かれます。答えると『双子で小さいのがレイちゃんの方でよかったね』と言われます。そのたびに『もし兄も身長が低かったら何が“よくない”んだ?』と思っていました。でも、それを口に出したことはありません。適当に流したら一瞬で終わることだったからです」と自身の経験を回顧。

そして、「企画を立ち上げた時、初めて兄のことを考えました。私が流してきたことをじかにくらってきた兄。すべてを正面から受け取っていたら…兄は間違いなく、あの時の祖父になってしまうと思いました。このドラマは決して『男性だって大変なんです!』と訴えたいわけではありません。ただただ、『私たちって一体何に縛られているんだろう…?』ということを言ってみたいと思いました。知らぬうちに植えつけられている呪縛の芽を摘んで、ふっと心が軽くなる…そんなドラマを目指しました。ぜひお楽しみください」と、今作に込めた思いを語っている。

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