30代で貯蓄「2000万円」を達成している人の割合は? 貯蓄額の「平均・中央値」もあわせて解説

全世代の貯蓄額の平均・中央値

金融広報中央委員会のデータによると、令和4年における金融資産保有額の全世代の平均は871万円です。思ったよりも多いと思う人もいるかもしれませんが、これはあくまでも平均ですので、極端に貯蓄額が大きい人の影響を受けやすいです。

例えば、金融資産保有額が100万円・300万円・500万円・700万円・5000万円の5人がいるとします。この5人の金融資産保有額の平均は1320万円となりますが、それだけで「5人は1320万円くらいずつ貯蓄している」というのは適切な表現とはいえないでしょう。

そのため、中央値にも注目してみましょう。中央値とは、数値を上から順に並べた際に真ん中に来る値のことで、前述の例でいうと500万円です。中央値のほうがより実態に近く、「5人のだいたいの金融資産保有額を表している」感じがするのではないでしょうか。

そして、先ほどの金融資産保有額の全世代の平均は871万円でしたが、中央値は100万円です。

30代の貯蓄の平均・中央値

続いて、30代の貯蓄の平均・中央値を見ていきましょう。同データによると、30代の金融資産保有額の平均は494万円、中央値は75万円です。

また、金融資産を全く保有していない割合は32.4%で、100万円未満と合わせると50.9%と30代全体の半数を占めます。そして、冒頭の「2000万円」以上の貯蓄している30代の割合は、わずか5.3%に過ぎません。

貯蓄のコツは?

現時点で貯蓄が少ない人は、これからお金を貯めていきたいところです。しかし、なんとなく余ったお金を貯めるという方法では、希望通りの額を貯めることは困難といえるでしょう。

貯蓄を効率的にするためには、まずは家計を見直して減らせる支出を探しましょう。例えば食費が多ければ無駄に購入しないよう買物の頻度を減らす、自作のお弁当やマイボトルを活用して節約する、通信費が高ければ格安SIMへの乗り換える、保険料が高ければ加入している保険の見直しに着手するなど、各家庭の実情に沿って対応を検討します。

また、毎月しっかりと貯蓄をしていくには、余ったお金を貯蓄するのではなく、先に貯蓄をして余ったお金を生活費とする「先取り貯金」がおすすめです。銀行の自動積立定期預金を開設する、給与から天引きで貯められる会社の財形貯蓄制度を活用するなどして先に貯金分を確保した上で、残りのお金で生活をするという流れにすれば計画的に貯蓄が進んでいくでしょう。

しかし収入によっては、家計を見直しても貯金に回せるお金が確保できないという人もいるかもしれません。そのような場合は、資格を取得するなどして昇進・昇給を目指す、副業に取り組むなど収入アップのための手段が考えられます。副業が禁止されている会社に勤めている場合でも、フリマサイトで不用品を売ったり、ポイ活に勤しんだりと節約につながる行動を起こしてみましょう。

今の会社での昇給や副業が難しければ、転職を検討してもよいかもしれません。昨今は多くの業界が人手不足ですので、思いもよらぬ好条件の求人が見つかる可能性もあるでしょう。

まとめ

30代では半数以上の人の貯蓄が100万円未満で、2000万円以上の貯蓄がある人はたったの5.3%です。多くの人がそうであるように、貯蓄を増やすことは決して簡単ではないといえるでしょう。貯蓄を進めるためには、節約をして支出を減らす、あるいは収入アップを目指すといった手段が考えられます。まずは家計の見直しから始めてみましょう。

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 各種分類別データ(令和4年)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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