照ノ富士、24日に奉納土俵入り 復活優勝の横綱「よみがえりの地」熊野の本宮大社で、和歌山

横綱照ノ富士による奉納土俵入りに向けて熊野本宮大社が作ったポスター

 和歌山県田辺市本宮町の熊野本宮大社で24日、世界遺産登録20周年の記念行事として、大相撲の横綱照ノ富士による奉納土俵入りがある。照ノ富士は大関昇進後に番付を大きく落としたが復活して横綱になり、けがによる3場所連続休場後の今年初場所でも優勝。「よみがえり、再生の地といわれる熊野を体現した横綱」(関係者)が、迫力の土俵入りで節目の年を盛り上げる。

 本宮大社の九鬼家隆宮司(67)によると、照ノ富士が所属する伊勢ケ浜部屋の和歌山後援会長を長年務めている硲敏明さん(74)=印南町出身で東京都在住=が間を取り持った。

 硲さんは以前から本宮大社を参拝しており、伊勢ケ浜部屋も含めて本宮大社と交流を重ねてきた。そんな中で世界遺産登録20周年を迎えることになり、硲さんが「横綱の土俵入りで花を添えたい」と提案。親方も快諾し、本宮大社では初となる横綱の奉納土俵入りが実現することになった。

 照ノ富士はモンゴル・ウランバートル出身。両膝のけがや内臓疾患の影響で大関から序二段まで番付を落としたものの、その後、再起。2021年の名古屋場所後に第73代の横綱に昇進した。昨年は夏場所で優勝した後、けがの影響で休場が続いたが、今年初場所で9度目の優勝を果たした。

 当日は午前10時から奉納奉告祭を執り行った後、11時から、赤土を敷いた本殿前で横綱が奉納土俵入りを披露する予定。

 硲さんは「休場が続いて心配していたが、今回の初場所で優勝を果たした横綱が奉納してくれることになり、これ以上うれしいことはない」と笑顔。九鬼宮司も「奉納土俵入りは邪気を払うともいわれており、世界遺産登録20周年にふさわしいご縁を頂いた」と喜んでいる。

 本宮大社によると、奉納場所の都合上、整理券を配ることを検討している。一般の観覧者による写真撮影は可能だが、動画は禁止。

 問い合わせは熊野本宮大社(0735.42.0009)へ。

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