一気に30%パワーアップでワイドなボディがインパクト増しまし!新型アストンマーティン・ヴァンテージは「進化の見どころ」が多すぎる

2024年2月13日、アストンマーティンは新型ヴァンテージを日本市場向けに発表しました。アストンマーティンを代表するアイコンとして積み重ねた74年の歴史の中でも「最速のヴァンテージ」として、リアルスポーツとしてのパフォーマンスを磨きぬいています。

激動の時代に誕生した新世代アストンマーティン第二弾

新型ヴァンテージの発表は、2023年発売され好評を博したDB12クーペ/ヴォランテに続くものです。本国イギリスでは、2024年2月12日にデビュー、良く13日に日本国内でも正式発表となりました。

特徴的なサイドストレーキ(整流に効果的なデザイン要素)と、アグレッシブさを増したベント部が、マッシブなサイドビューを生み出している。

「Vantage」というネームが初めて採用されたのは、1950年のこと。エンジンをチューニングしたDB2の高性能仕様として誕生しました。1964年にはDB5シリーズの新たなフラッグシップとして、そのバッヂが掲げられています。1970年代初頭、単独のモデルとして独立。以来、アストンマーティンのモデルラインアップにおいて、特別な「スポーツの資質」を体現する存在となりました。

今、アストンマーティンはブランドそのものとしても、その111年の歴史の中にあって最も「ダイナミックな変革」の時代を迎えています。

2023年F1シーズンで圧倒的な存在感を示する一方、国際的なGTレースにおいてヴァンテージは耐久GTレーサーとしての才能を見せつけました。そして来る2025年、アストンマーティンはヴァルキリーAMRで、ル・マン24時間レースでの完全優勝を目指します。

アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)であるアメデオ・フェリーザは、「新しいヴァンテージの完璧にバランスの取れたフロントエンジン/リアドライブのシャシーに、最新のテクノロジーを巧みに適用することで「病みつきになってしまうほど」魅力的なスポーツカーを生み出しました。圧倒する存在感、かつてない新しさを備えたインテリア、最先端のインフォテインメントとともに、ヴァンテージはあらゆる点でワールドクラスの価値を実現しました」と語っています。

エンジン出力は一気に150ps/115Nmも向上

アストンマーティンの次世代スポーツカーとして、そして同時に超高級スポーツGTとして、あるいはハイパーカーとして、さらには世界選手権モータースポーツの最高峰における主導的役割を果たすモデルとして・・・新しいヴァンテージは、大幅に改良された4L V8ツインターボエンジンを搭載しています。それはまさに「史上最速」と呼ぶべきでしょう。

大径のクワッドエキゾースト・テールパイプがド迫力。バンパーサイズそのものも拡張されており、サイドベントとのデザイン的バランスも良好だ。

それはまさに「史上最速」。最高出力は665ps、最大トルクは800Nmを発生、従来型に対してそれぞれプラス155ps(30%増し)、プラス115Nm(15%増し)のという驚異的なポテンシャルアップを実現しました。

アストンマーティンのエンジニアによるチューニングは、改良されたカムプロファイルの採用、圧縮比の最適化、タービンの大型化、冷却系の強化など、幅広い範囲に及びます。スペック的なインパクトはもちろん、よりシャープなフィーリングと、官能的なエンジンサウンドまで生み出しました。

組み合わされるトランスミッションは、ZF製8速AT。ファイナル・ドライブ・レシオやシフトスケジュールのキャリブレーションによって、レスポンスと楽しさを最大化しました。素早い変速とともに、よりパンチの効いた加速感を味わうことができます。

スタンディングスタートの0→60mph(97km/h)加速は、わずか3.4秒にすぎません。パワートレーン、トランスミッション、横滑り防止装置(ESP)などを完全に統合する新しいローンチコントロールシステムの導入により、ホイールスリップを最適に制御、安定した速さを実現しています。最高速度は202mph(325km)に達します。

ダイナミクス性能を大幅に向上させた多彩な改良

アストンマーティンの最新世代のボンド・アルミニウム構造を中心に、ヴァンテージには非常に強固なボディワークが与えられました。アンダーボディに補強用コンポーネンツを追加することで全体的なねじり剛性を高めるとともに、生来の完璧な50:50の重量配分とあいまって、よりダイレクト感あふれるダイナミクスを提供します。

ローンチコントロールは、ドライバーが操作すると、E-Diff、ESPスリップコントロール、エンジントルクマネジメントを使用して、エンジンが許す限りのトルクを発揮し、発進中、ホイールスリップを最適な範囲に保つ。

さらにフロントボディクロスメンバー、フロントエンジンクロスブレース、フロント&リアアンダートレイ、リアサスペンションタワー、ビルシュタインDTXアダプティブ・ダンパー、電子パワーステアリングシステム(EPAS)など、ハンドリング性能に関わる改良は枚挙にいとまがありません。

タイヤは、専用コンパウンドを採用したミシュランPilot Sport S 5(フロント275/35 R21/リア325/30 R21)。3種類のデザインから選べる21インチ鍛造アロイホイール(フロント9.5J/リア11.5J)は標準で設定します。

これらの改良によって、コーナリング荷重時の剛性が29%向上。入力に対する精度感の高いレスポンス、卓越したハンドリングバランス、適切なドライバーフィードバックといった「感性」面での進化をもたらしました。直進時から舵を入れカウンターステアを当てるような領域に至るまで、洗練sらたステアリングフィールを堪能することができそうです。

制動性能にこだわるオーナー向けには、カーボンセラミックブレーキ(CCB)がオプション設定されました。CCBは標準のブレーキシステムに対して、27kgもの軽量化を実現しながら、サーキット走行時など800度を超える高温域でもフェードすることのない絶対的信頼性を担保してくれます。

あらゆる領域での運動特性を最適化する統合制御システム

さらに、新しいヴァンテージのパフォーマンスアップを支えているのは、高度なインテグレーテッド・ビークル・ダイナミクス・コントロール(IVC)です。

アジャスタブル・トラクション・コントロール(ATC)のポジションをレベル5に設定すると、エンジントルクの調整、スリップコントロールなどによって、高速領域でのラップ性能が向上する。同時にオーバーステアが発生する可能性があるため、ドライバーが積極的にコントロールを楽しめる味付けと言えそうだ。

ブレーキ、パワートレーン、電子制御式リア・ディファレンシャル(E-Diff)を総合的に制御するESPによって、ドライビングダイナミクスの限界領域に至るまでバランスとハンドリングを最適化しました。それは、あらゆるドライビングスタイルのダイナミック特性をサポートし、常によりスムーズかつ安定した「速さ」を演出します。

ヴァンテージの新しいESPは単なるパフォーマンスリミッターではなく、パフォーマンスを引き出すデバイスとして機能するようにチューニングされている、と言っていいでしょう。ビークルダイナミクスシステムの3つの主要な柱(ライド、ハンドリング、ステアリング)をアクティブに制御し、あらゆる天候、道路、トラックでの車両の応答性とハンドリング挙動を最適化しました。

機能を司るE-Diffは従来のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルとは異なり、ESPと連動して安定性を積極的に高め、正確かつ即時のコントロールを可能にするものです。トラクションの最適化、安定したハンドリング、俊敏性の向上に貢献しています。

このほか、最新世代のABS制御システムを使用して制動距離を最適化するとともに、ブレーキ・スリップ・ベクタリングを適用してコーナー進入に備える「インテグレーテッド・ブレーキ・スリップ・コントロール(IBC)」、エンジン、ブレーキ、E-Diffの制御を組み合わせ、コーナー出口で最適なトラクションをもたらす「インテグレーテッド・トラクション・コントロール(ITC)」などが、すべての走りを別次元へといざないます。

もういとつ、ユニークな走行制御システムが「アジャスタブル・トラクション・コントロール(ATC)」です。ウェット、オン、トラックESPモードの選択に加えて、1~8のポジションでエンジントルクを調整、スリップを制御します。時にオーバーステアが発生する可能性がありますが、ドライバーが積極的なコントロールを楽しむことができます。

さらにワイドに、さらにプレミアムに

新しいヴァンテージのアピアランスは、その内に秘めた圧倒的パフォーマンスを味わう前から一見しただけで、新世代スポーツとしての「ゲームチェンジャー」であることを実感させます。

グリルの拡大などエンジン冷却システムは全面的にブラッシュアップ。オイルクーリングシステムも大幅な改良が施され、さらにラジエーター効率も従来比で50%向上している。

従来型比30mmワイドなボディはより筋肉質なスタンス。一体型スプリッターが野性味を演出するとともに、優れた空力特性を生み、高速安定性を高めています。

フロントマスクは、アストンマーティンの新しいライトシグネチャーを特徴とするデイタイムランニングライトシステム(DRLs)を内蔵した、まったく新しいマトリックスLEDヘッドランプデザインが採用されました。バンパー部のグリル開口部は38%拡大され、左右の冷却インテークと相まってシャープな印象を生み出しています。

新たに、フレームレスドアミラーを採用。サイドベントと大径のクワッドエキゾーストテールパイプを組み込んだ幅広のリアバンパーとあいまって、どの角度から見てもドラマチックなデザイン性を感じさせます。

完全なオンライン接続を備えた統合型マルチスクリーンシステムをセンターコンソールにビルトイン。10.25インチのPure Blackタッチスクリーンテクノロジーを備えている。

一方で新型ヴァンテージには、思わず息を飲むようなまったく新しい超豪華なインテリアが与えられています。最高級の素材に包まれるだけでなく、最先端のコネクテッドテクノロジーやオーディオパートナーであるBowers & Wilkinsが開発した見事なサラウンドサウンドシステム(オプション)など、極上のエンターテインメント空間としても完成されています。

細身のエアベントや統合された10.25インチのインフォテインメントスクリーンなど、全体的にはすっきりとしたエレガントさが特徴でしょう。センターコンソール下の物理スイッチは、機能性、操作性という「品質」を高めるものです。

しなやかで質感の高いブリッジ・オブ・ウィアーの皮革には手縫いのステッチが配され、居心地の良い快適な空間を演出。サポート力に富んだスポーツシートには贅沢な雰囲気を支えるエフォートレスな機能性をプラスし、ドライブする楽しさにさらなる満足感をもたらします。

日本国内での車両本体価格は2690万円。進化の中身を考えれば、バーゲンプライスと言えるかもしれません。あらゆる面でプレミアムピュアスポーツの新たな到達点となる新型ヴァンテージの生産は、2024年第1四半期に開始され、2024年第2四半期からオーナーのもとに届けられる予定です。

まったく新しいインテリアアーキテクチャと特注の最先端のインフォテインメントシステムを採用。品質、スタイルなどすべての要件で、洗練された新たなスタンダードを構築している。

アストンマーティン ヴァンテージ 主要諸元

【ボディ】
・ 2ドア・ボディスタイル(2シーター)
・押出接着アルミニウム・ボディ構造&複合素材パネル
【エンジン 】
・4.0L V8ツインターボ
・過給インタークーラー
・フロント・ミッドマウント・エンジン、後輪駆動
・最高出力:489kw (665ps )/ 6000rpm
・最大トルク:800Nm/2750- 6000rpm
・最高速度:202mph (325km/h)
・ 0-60mph:3.4秒
・0-62mph(0-100km/h):3.5秒
・圧縮比:8.6
・可変デュアル・カムシャフト・タイミング
・フルCNC加工燃焼室
【トランスミッション 】
・リア・マウント、8速オートマチック・トランスミッション
・トルク・コンバーター
・ エレクトロニック・リア・リミテッド・ディファレンシャル
・カーボンファイバー製プロペラシャフト
【車両本体価格】 2690万円

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