スギ花粉の飛散始まる 和歌山・紀南地方、予測はスギやや少なくヒノキは多い

花粉を飛散させるスギの雄花(和歌山県田辺市中辺路町で)

 和歌山県紀南地方でスギ花粉が飛び始めた。日本気象協会関西支社は、今春の県内の花粉の飛散量はスギが「例年よりやや少ない」、ヒノキが「例年より多い」と予測している。田辺市の医院によると例年、スギ花粉の飛散は2月下旬から3月上旬ごろにピークを迎え、下旬ごろまで。ヒノキ花粉は3月下旬ごろから4月初めごろピークを迎えるという。

 飛散の開始日は、1平方センチ当たり1個以上の花粉が2日続けて観測された最初の日とされている。

 長年、田辺市の花粉の飛散状況を調べている坂口耳鼻咽喉科医院(田辺市あけぼの)の坂口幸作院長によると今季、同院のベランダでスギ花粉は10日に1平方センチ当たり2.0個、11日に2.2個を観測し、10日が飛び始めとなった。前年とほぼ同時期。

 花粉の飛散量は、雄花の花芽のできる前年夏の気象条件の影響が大きい。気温が高く、雨が少ないと花芽が多くつき、花粉の飛散量が多くなる。

 同支社によると、特にスギ花粉は、飛散量の多い表年と少ない裏年を交互に繰り返す傾向があり、今年は裏年に当たることや、昨年多く花粉を飛ばしており疲弊していることが考えられ、飛散量は例年より少なめになるのではとみている。

 ヒノキ花粉は、昨年夏に暑く、雨が少なかったという気象面から考えて、例年より多く飛ぶのではないかと予測したという。

 坂口院長によると例年、田辺周辺ではスギ花粉は梅の花が満開になったころに飛び始めるのが目安で、ヒノキ花粉はソメイヨシノが咲くころに飛び始めるという。

 花粉症対策について、坂口院長は「一番の防御はなるべく花粉と接触しない、家の中に持ち込まないようにすることが大事。マスクや眼鏡を着用し、洗濯物や布団を屋外に干さないようにしてください」と呼びかけている。

 田辺市医師会は、坂口医院が調べている花粉の飛散情報をホームページ(https://tanabeshi-ishikai.org/kafun/)で公表している。

© 株式会社紀伊民報