「30代後半まで信じられないほど効果的だった」34歳のトンプソンが目指すのは晩年のミラーとアレン「彼らのスタイルを踏襲する」<DUNKSHOOT>

ゴールデンステイト・ウォリアーズでステフィン・カリーと“スプラッシュ・ブラザーズ”を結成するクレイ・トンプソン。198㎝・100㎏のシューティングガードは、2011年のプロ入り以降、類まれなシュート力を武器に、ウォリアーズで4度の優勝を勝ち取った。

1クォーターにおける得点(37)、1試合の3ポイント成功数(14)でNBA記録を保持し、オールスターには15年から5年連続で出場。左ヒザの前十字靭帯断裂と右足のアキレス腱断裂の大ケガで19年から2シーズンを全休したが、22年に復帰すると昨季はリーグトップの301本の3ポイントを決めている。

相棒のカリーとともにリーグ有数のシューターの1人だが、13年目の今季は平均16.9点、3ポイント成功率37.3%(昨季は平均21.9点/41.2%)と成績を落とし、クラッチタイムでベンチに下げられる試合もあった。

2月8日に34歳の誕生日を迎えたトンプソンは米メディア『The Ringer』のインタビューで、今季の不調と過去のケガについて振り返り、自分がかつてのような選手ではないことを認めた。

「ベストプレーヤーの1人から(今の自分に)なるのは? 誰にとっても難しいことだ。正直に言うと本当に難しい。(今季はパフォーマンスの)浮き沈みが激しかった。でも、ここ数日、シュート数やパフォーマンスが安定しないにもかかわらず、自分には楽しむ資格があり、堂々とプレーする資格があるんだと、ある種の啓示を受けたんだ」
シーズン前半戦は調子が上がらず苦しんだトンプソンだったが、今はそんな自分を受け入れ、ポジティブに捉えることができたという。

「僕は来年35歳になる。ACLとアキレス腱(断裂)から復帰し、それでも本当に優れた選手でいられる。(今の自分は)3クォーターで60得点、1クォーターでNBA記録となる37得点をあげたような選手ではないかもしれないが、それでも大きな脅威となるだろう」

トンプソンはチーム内での役割減少の可能性について「何も悪いことじゃない」と受け入れる姿勢を見せ、自身を殿堂入りしている名シューターのレジー・ミラーやレイ・アレンと比較。今後はキャリア晩年の2人と同じ影響力を与えたいと語った。

「僕はレジーやレイをお手本にしていて、彼らは30代後半まで信じられないほど効果的だった。だから僕も彼らのスタイルを踏襲するつもりさ」

ミラーは39歳、アレンは38歳まで現役を続け、前者は最終年に出場全試合で先発を務め、平均14.8点、3ポイント成功率32.2%、フリースロー成功率93.3%(リーグ1位)を記録。後者は73試合(先発9試合)で平均9.6点、3ポイント成功率37.5%を残し、マイアミ・ヒートのファイナル進出に貢献した。

どんなスター選手にも引退の時は必ず訪れるが、今季終了後に完全FAになるピュアシューターはどんな形でキャリアを終えるのか。

構成●ダンクシュート編集部

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