炭素原子の厚みしかない極薄シート「グラフェン」といった先端素材を半導体やプラスチックなどの基板に貼り付ける技術を、九州大の吾郷浩樹主幹教授(ナノテクノロジー)らの研究チームが開発した。次世代半導体での実用化を目指す。英科学誌ネイチャーエレクトロニクス電子版に13日までに発表した。
グラフェンは強度が強いのが特長で、電子デバイスなどの材料として期待されている。一方、基板に貼ろうとすると破れたり、不純物が入り込んで電流が流れやすい特性が生かせなかったりするのが難題だった。
吾郷教授は「(半導体基板の)シリコンウエハーに対応できるよう大きなサイズの転写を目指したい」と話している。