ヤクルト販売員に感謝状 特殊詐欺被害、未然に防ぐ

特殊詐欺の被害に遭いそうになった女性客に警察へ連絡するよう伝えて被害を未然に防いだとして、和歌山西警察署はきょう(2月13日)、ヤクルト販売の女性に感謝状を贈りました。

大野署長から感謝状を受ける花折さん(左)

感謝状を受けたのは、和歌山ヤクルト販売株式会社・西浜センターの販売員、花折稔子(はなおり・としこ)さん55歳です。

花折さんは、去年12月1日の午前11時20分頃、週に一度、商品を届けている80歳代の女性から携帯電話に「大変なことになった」という連絡を受けました。花折さんは、その日、女性宅を訪問する予定はありませんでしたが、急遽、自宅を訪ねて話を聞きました。すると、80歳代の女性は、「近鉄百貨店から電話があり、『私のクレジットカードを持った女性が来店し、カードを置いたままトイレから戻らない』と言われ、その後、銀行協会からも電話がかかってきた」と説明しました。この話を聞いた花折さんは、女性が特殊詐欺の被害に遭っているものと考え、和歌山県警の特殊詐欺被害防止専用ダイヤル「ちょっと確認電話」へ、女性と一緒に通報し、警察官から話を聞いて、被害を未然に防ぎました。

きょう午後3時から和歌山西警察署で行われた感謝状の贈呈式で、花折さんは、大野矢雄(おおの・ちかお)署長から感謝状を受け取り、記念写真に納まりました。

署長室で記念撮影

花折さんは、顧客の自宅を訪ねて商品を届けるのが仕事で、訪問先で「特殊詐欺の電話がかかってきた」といった話を聞くことが多く、これまでにも、詐欺に遭いかけた人を、未然に被害から防いできたということです。

花折さんは、「電話を受けた時、女性の声は震えていましたが、日頃から会話する中で、特殊詐欺のパターンを伝えていたので、私のことを思い出して電話をくれたのかなと思う」と話しました。

和歌山西警察署の大野署長は、「一軒一軒回って信頼関係を結ぶヤクルトの販売形式が相談を受けることにつながったと思うので、今後も、仕事の中で、特殊詐欺の未然防止に力を貸してもらえれば」と話しました。

花折さんの夫は警察官で、普段から特殊詐欺の手口などを詳しく聞いているということで、「これからも、お客さんが一生懸命働いて得たお金をだまし取られることのないよう未然に防ぎたい」と話しています。

「ちょっと確認電話」の番号は、0120・508・878(これは・わなや)です。

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