ちいかわ「たこイカくじ」商品ないのに転売 Xでは当選者間で「物々交換」呼びかけ多く

アニメも放送され大人気となっている「ちいかわ」。2024年2月13日からは「ちいかわ たこイカくじ」がインターネットで発売となり、話題だ。

だが早くも、転売が横行している。今回はネット専売で、商品は6月中旬の到着だ。それなのに、A~D賞までの景品が1100円から1万5000円までの高額で取引されている。一方で、X(旧ツイッター)では、当選者同士が景品の交換を持ち掛ける投稿が多くみられる。

「A賞」既に1万5000円

「ちいかわ たこイカくじ」の販売方法は、次のようになっている。まず、公式ウェブサイトにアカウント登録をして、好みのくじを購入。商品引き換え画面から配送を選択し、配送先情報を入力し、配送を手配する。すると6月中旬には商品が届く仕組みだ。くじ一回の料金は1100円となっている。

フリマアプリ「メルカリ」には、くじの発売当日から、届いていないはずの商品が出品されている。レア度は、A賞「相席サイズな特大たこ着ぬいぐるみ」が最も高く、当選確率は「ちいかわ」と「ハチワレ」それぞれ1%だ。D賞のキーホルダー「たこイカマスコット」は6種類で当選確率81%。このほか、B賞「BIGイカクッション」とC賞「ふわふわたこイカぬいぐるみS」がある。

転売品を見ると、A賞は1万5000円、B賞5000円、C賞3300円、D賞1100円といった値付けがある。

そんななか、X上では、くじ結果をユーザー同士で譲渡しあう動きが出ていた。自分の欲しいキャラクターを書き込み、代わりに渡せる交換用の景品と、条件として「●●県内なら送料なし」などを提示し、振り込みが必要な場合は決済方法を説明している。自分にとって不要な景品と、逆に手に入れたい品を交換できれば、転売で高額なお金を払わずに済む。

転売ヤーから目を付けられる危険性も

ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、ファンコミュニティーで物々交換するサイトについて、「ファンの通う掲示板ぐらいしかない」と語る。一方で、こうも話した。

「ファングッズを扱う店や不用品交換サイトでは、盛んに行われています」

交換自体は、ファンの間ではポピュラーな方法のようだ。

X上で物々交換を呼び掛けるうえで、相手の取引実績が大切だと強調。交換相手のタイムラインをさかのぼって、これまでどんな取引をしているか、トラブルなどはなかったかなど確認することが必要だと話す。一方で、商品画像などで転売ヤーから目を付けられる危険性もあると指摘した。

最近の転売ヤーの手法として、Yahooオークションやメルカリ、SNSの画像を引用して、あたかも商品を在庫しているかのように見せかけ、代金の払い込みをさせる無在庫販売の詐欺があると、井上氏は指摘する。

賢くフリマアプリを使うためには、「クレジットカード即決はかなり危険。コンビニ支払いや銀行振り込みなどにして、払い込み先の会社名を地図アプリで調べてみたりすることで詐欺を避けることができる。好きな商品があるから飛びつくのではなく、十分に考えて購入することが重要です」と説明した。

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