倉敷・玉島の風情と人情を映画に 劇団員と住民 CFで製作費募る

映画の構想を話し合う製作委員会のメンバーたち

 倉敷市内の劇団員や住民有志が、玉島地区を舞台にした映画の製作を目指している。新人トリマーの女性がトラブルを乗り越えながら成長する物語で、玉島地区の商店街や港などで撮影。エキストラとして住民らが出演する。昭和の風情と人情が息づくまちの魅力を発信するといい、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。3月24日まで。

 主人公は、生まれ育った玉島で働くトリマー2年目の女性。店に訪れた犬の首にしこりを見つけ、病院受診を勧めたことで飼い主とのトラブルに発展するが、地元の人らの応援に支えられ、互いのわだかまりを乗り越える。タイトルは「しっぽを上げて!~Do You Know How They Feel~」。

 岡山市を拠点とする「岡山劇団SKAT!!」の俳優髙谷明宏さん(59)=倉敷市=が総合プロデューサーを務め、日本演劇学会会員の鈴木さつきさん=同市=が脚本・演出を担当。主要キャストはオーディションで決め、地元住民にエキストラ出演を依頼する。撮影は玉島港や付近の商店街、円通寺、羽黒神社などで行う予定。

 愛犬家の髙谷さんが趣のある玉島の町並みにほれ込み、知人で菓子店経営の別所美治さん(65)=同市=らに映画の構想を持ちかけた。昨春に市内外の約10人で製作委員会を立ち上げ、撮影の段取りやスケジュールの作成など準備を進めている。

 公開は今秋の計画で「地元の力を結集して映画を作り、活性化につなげたい」と委員長の別所さん。髙谷さんは「どこかほっとする玉島の空気感を映画で表現したい」と話している。

 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。目標額は300万円で、地元店の菓子詰め合わせ、映画出演権など支援額に応じた返礼品を用意している。

 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/134138)から。

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