ボヘミアン、またも音楽ユニ!伝説のロックバンド『Thin Lizzy』とコラボの新アウェイユニフォームを発表

アイルランド1部ボヘミアンFCとキットサプライヤーのO’Neillsは12日、2024シーズンの新アウェイユニフォームを発表した。

ボヘミアン近年、クラブと音楽の“つながり”をユニフォームで表現する機会が多い。今年のアウェイユニフォームでは、アイルランドが生んだ世界的なロックバンド「Thin Lizzy(シン・リジィ)」とのコラボレーションが実現。

アイリッシュロックやハードロック好きの注目を浴びること間違いなしの一着だ。

Bohemian FC 2024 O’Neills Away

ボヘミアン 2024 O’Neills アウェイ ユニフォーム

2024新アウェイユニフォームは、1970年代・80年代のロック/ハードロックシーンを通過した者なら胸のバンドロゴに思わず二度見することだろう。まさかのThin Lizzy登場である。

アイルランドで誕生したThin Lizzyは70年代と80年代で活躍し、現在でもリスペクトされる伝説のロックバンド。解散~再結成を繰り返しながら今も活動中で、日本にも熱いファンが多い。

今回のユニフォームを語る上で欠かせないアイテムが、1979年に発表された名盤「Black Rose:A Rock Legend」のアルバムジャケット。バラの花が印象的なこのアートワークが今回のデザインのモチーフとなっている。

エンブレムカラーは通常のレッド/ブラックではなく、「Black Rose」に合わせてパープル/ブラックに変更。そしてシャツ全体にバラの花を散りばめる。

袖口をパープルで彩り、そこにブラックローズをアート的デザインする。

このバラも含めた「Black Rose」アートアークの作者はアイルランドの画家ジム・フィッツパトリック。Thin Lizzyの作品も数多く担当しているが、彼を最も有名にしたのはチェ・ゲバラの肖像画『英雄的ゲリラ』かもしれない。

背面にはバンドの表曲「The Boys Are Back In Town」の歌詞の一文をレタリング。徹底的にThin Lizzy一色に染め上げたユニフォームとなっている。

しかし、母国アイルランドの英雄的存在とはいえ、なぜボヘミアンのユニフォームにThin Lizzyなのか。実は両者は過去のライブ公演で接点があった。

1977年8月21日。アイルランドの首都ダブリンにあるボヘミアンのホームスタジアム「ダリーマウント・パーク」で、ダブリン初の大型野外ロックフェスティバル『Open Air Rock Festival』が開催された。そのフェスでヘッドライナー(メイン)を務めたのがThin Lizzyだった。

新アウェイユニフォームの裾部分には、バンドロゴとともにフェスに関する情報を刻んだタブが付く。こうしたタブ一つ見ても非常にコレクション性の高いユニフォームだ。

ボヘミアンの音楽ユニフォームは、2022年に伝説のレゲエシンガー、ボブ・マーリィをデザインしたアウェイユニフォームが原点。正確には、2018年にリリース予定だったが発売前に権利関係の問題が発覚したため中止に。4年後に改めて登場となったものだった。

2つめの音楽ユニフォームは、2023年の特別モデル。胸に通常のスポンサー名ではなく、アイルランドが誇る国民的ロックバンド「ASLAN(アスラン)」のバンドロゴを入れたものだ。

これは血液疾患による癌を患っていたメンバーのクリスティ・ディグナム氏の訃報を受け、同年6月に追悼のために製作した限定版。同氏は緩和ケアを受けながら最後の数ヶ月を自宅で過ごしたという。

ユニフォームの収益全額にあたる約14万ユーロ(当時で約2,070万円)は、同じ境遇にある癌患者のためにダブリンのホスピス(緩和ケア病院)に寄付された。

今回のユニフォームもチャリティの側面がある。収益の10%が、社会的に孤立し恵まれない環境に置かれたダブリンの子供たちに音楽を届ける「Music Generation Dublin City」プロジェクトに寄付される。

このプロジェクトによって対象の子供たちは音楽を聴くだけではなく、学び、演奏する機会を得ることが出来るという。

サッカーと音楽のコラボ!これが「世界的ミュージシャン」のユニフォーム姿

伝説のロックバンドThin Lizzyとのコラボレーションとなった2024アウェイユニフォームは、クラブのオンラインストアで予約販売を実施中だ。

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